トリコゾール 200mgはメトロニダゾールを有効成分とする抗菌薬で、嫌気性菌や原虫と呼ばれる微生物による感染症の治療薬です。 
嫌気性菌とは酸素の無い条件下で増殖する細菌のことです。 
嫌気性菌には酸素があると増殖できない『偏性嫌気性菌』と、酸素が少ない条件下での増殖を好む『通性嫌気性菌』とがあります。 
一般に嫌気性菌というと偏性嫌気性菌のことを指し、皮膚、口内、腸管、膣などの人間の体内に常在している菌の99%が扁性嫌気性菌になります。 
体内に内在している嫌気性菌は細菌叢という生態系を形成し、その中で共存、排除を繰り返すことによって均衡状態を保ち、人体に害なく存在しています。 
しかし細菌叢の均衡状態が手術、外傷、組織の虚血などによって崩れると、単独、或いは複数の菌が無菌領域に侵入し、嫌気性菌感染症を引き起こすことになります。 
内在性嫌気性菌による感染症には、ガス壊疽、破傷風、ボツリヌス症、及び歯周病などがあり、いずれも腫瘍の形成、悪臭のする膿、及び組織の懐死の発現、組織内部、内臓などの酸素が行き届かない箇所における進行に特徴づけられます。 
感染症を起こす頻度が高い菌としては、バクテロイデス・フラジリス、ペプトストレプトコッカス属、クロストリジウム属などがあげられますが、特にクロストリジウム属には毒性の高い食中毒の原因となるボツリヌス菌、ウエルシュ菌などの壊疽菌群、破傷風菌、下痢の原因といわれているクロストリジウム・ディフィシレなどが含まれています。 
原虫とは単細胞生物のうち動物と同じく、運動能力や感覚を持ったものを意味しますが、現在では病原性のある単細胞の寄生虫を指しています。 
人体に寄生し、感染症を発症させる原虫は大きく分けると赤痢アメーバ−などの根足虫類、膣トリコモナス症の原因であるトリコモナス原虫などの鞭毛虫類、各種マラリヤ原虫などの胞子虫類、下痢などを引き起こす大腸バランチジウムなどの繊毛虫類などがあります。 
下記の服用量はあくまでも目安となります。実際に服用する場合は、医師に指定された量を服用するようにしてください。 
【嫌気性菌感染症】 
実際の治療期間は病状や病原菌によって異なりますが、通常トリコゾール 200mgを7日前後使用することが必要とされています。 
【嫌気性菌感染症の予防としての使用】 
主に腹部(特に結腸直腸)、婦人科の手術において使用されます。 
手術前24時間:8時間毎に400mgを服用 
手術後:錠剤の服用が可能になるまでは、静脈注射か直腸注入によって投与 
子供:7.5mg/kgを8時間毎に服用 
【一般的な嫌気性菌感染症治療としての使用】 
初回に800mgを服用し、その後8時間毎に400mgを服用 
子供:7.5mg/kgを8時間毎に服用 
【原虫、及びその他の感染症】 
**泌尿生殖器トリコモナス症(再発しやすく、配偶者も同時に治療が必要)**
治療期間の目安:7日間 
10歳以上の子供、および成人:1回200mgを1日3回か、1回400mgを1日2回服用 
7歳以上10歳未満:1回100mgを1日3回服用 
3歳以上7歳未満:1回100mgを1日2回服用 
1歳以上3歳未満:1回50mgを1日3回服用 
治療期間の目安:2日間 
10歳以上の子供、および成人:朝800mg、夕1,200mgを服用 
治療期間の目安:1日 
10歳以上の子供、および成人:2.0gを一度に服用 
**原因不特定の膣炎**
治療期間の目安:7日間 
10歳以上の子供、および成人:1回400mgを1日2回服用 
治療期間の目安:1日 
10歳以上の子供、および成人:2.0gを一度に服用 
**侵襲性の腸疾患**
治療期間の目安:5日間 
10歳以上の子供、および成人:1回800mgを1日3回服用 
7歳以上10歳未満:1回400mgを1日3回服用 
3歳以上7歳未満:1回200mgを1日4回服用 
1歳以上3歳未満:1回200mgを1日3回服用 
**腸疾患及び慢性嫌気性菌肝炎**
治療期間の目安:5-10日間 
10歳以上の子供、および成人:1回400mgを1日3回服用 
7歳以上10歳未満:1回200mgを1日3回服用 
3歳以上7歳未満:1回100mgを1日4回服用 
1歳以上3歳未満:1回100mgを1日3回服用 
**嫌気性菌肝腫瘍、及び腸外のアメーバ-症**
治療期間の目安:5日間 
10歳以上大人:1回400mgを1日3回服用 
7歳以上10歳未満:1回200mgを1日3回服用 
3歳以上7歳未満:1回100mgを1日4回服用 
1歳以上3歳未満:1回100mgを1日3回服用 
**無症状のシスト感染源**
治療期間の目安:5-10日間 
10歳以上の子供、および成人:1回400-800mgを1日3回服用 
7歳以上〜10歳未満:1回200-400mgを1日3回服用 
3歳以上7歳未満:1回100-200mgを1日4回服用 
1歳以上-3歳未満:1回100-200mgを1日3回服用 
**ジアルジア症**
治療期間の目安:3日間 
10歳以上-大人:2gを1日1回服用 
7歳以上10歳未満:1回1gを1日1回服用 
3歳以上7歳未満:600-800mgを1日1回服用 
1歳以上3歳未満:500mgを1日1回服用 
**急性潰瘍性歯肉炎**
治療期間の目安:3日間 
10歳以上の子供、および成人:1回200mgを1日3回服用 
7歳以上10歳未満:1回100mgを1日3回服用 
3歳以上7歳未満:1回100mgを1日2回服用 
1歳以上3歳未満:1回50mgを1日3回服用 
**急性歯性感染**
治療期間の目安:3-7日間 
10歳以上の子供、および成人:1回400mgを1日3回服用 
**下肢潰瘍及び褥瘡**
治療期間の目安:7日間 
10歳以上の子供、および成人:1回400mgを1日3回服用 
 
トリコゾール 200mgの有効成分であるメトロニダゾールやその他の成分、或いイミダゾールや、ニトロイミダゾール系薬物などに過敏症である方は、トリコゾール 200mgのご使用をお避けください。 
トリコゾール 200mgの服用が10日以上となるばあいは、患者の容態観察が必要になります。 
トリコゾール 200mgの服用によって、泌尿生殖器トリコモナス症が完治しても、淋菌感染症が残る場合があります 
腎機能障害の方におけるトリコゾール 200mgの使用は、有効成分のメトロニダゾールの代謝物が保持されるため、注意が必要です。 
メトロニダゾールには発がん性が認められているため、必要時以外の服用はお避け下さい。
  トリコゾール 200mgの副作用としては、以下にあげるような症状があります。 
これらの症状や他に気になる症状が発現した場合には、医師の診断を受けるようにしてください。 
・主な副作用 
下痢、便秘、吐き気、腹痛、味覚異常、舌苔、口内炎、口内痛、食欲減退、じんましん、血管性浮腫(唇、顔、舌などの腫れ)、眠気、目眩、頭痛、運動失調、発疹、筋肉痛及び関節痛、尿が黒くなる、視野の異常、混乱、肝機能障害、(長期に渡る使用による)倦怠感やしびれの原因となる末梢性神経障害、白血球減少症、けいれん