指圧が認知症患者の激越軽減に効果
定期的な指圧療法は、認知症患者の激越性(興奮した)の行動を軽減させることが、米医学誌「Journal of Clinical Nursing」2月号掲載の、台湾の小規模研究で明らかにされた。
研究は、認知症患者20人を対象に行われ、5カ所の主なツボを3〜5kgの圧力で2分間圧迫する指圧が施された。1回15分の施術を1日2回、1週間に5日行った結果、徘徊(はいかい)が減少し、言葉や肉体による攻撃性が軽減するなど、明らかな改善効果が認められた。指圧療法は4週間続けられたが、期間終了後、患者の激越レベルは再び上昇し始めた。
研究者らは、このことは認知症患者には、継続的な指圧治療が必要なことを意味するとしている。研究共著者で、国立陽明(Yang-Ming)大学(台北)臨床看護研究所のLi-Chan Lin教授は「研究結果は、指圧が、訓練を受ければ、家庭や長期看護施設で施術できる、効果的な手法であることを示した」と述べている。
同教授は「認知症患者の激越性の行動は、看護する側にとっても大きな懸念材料だ。患者本人や周囲の人を危険にさらし、住み慣れた場所を離れることや、拘束の必要性を生み、世話をする人に心理的ストレスを与える。家庭や長期看護施設の双方で、より効果的な看護を提供できる方法が求められている」と述べている。