喫煙量を減らすことが禁煙のきっかけに
禁煙の意思が固まっていない人でも、たばこの量を減らすことで思いがけなく禁煙できることが、医学誌「Nicotine and Tobacco Research」12月号に掲載された米国の研究で明らかになった。
米バーモント大学(バーモント州)医学部精神医学教授のJohn Hughes博士らは、過去の研究をレビュー(再検討)。19件中16件において、禁煙の意思がない人が喫煙量を減らした結果、禁煙者が増加していたことが明らかになった。喫煙量の軽減には、ほとんどの研究でニコチン代替製品が用いられていた。
Hughes博士は「今回の知見は、再三の禁煙アドバイスに従わない患者には、喫煙量を減らすよう勧めるべきことを示唆している。米国では認められていないが、ヨーロッパのいくつかの国では、喫煙量を減らすことが禁煙法として受け入れられている」と述べる。
同博士は「レビューの結果は、喫煙量を減らすことにより禁煙が可能となる証拠を提供したものである」と述べる一方で、喫煙者はたばこの量を減らしても健康面でのリスクは軽減するものではないことを知っておくことが重要と忠告している。医師は患者に対し、減煙は最終的に禁煙するための一過程に過ぎないことを説明する必要がある。