素食は、元気でエコのもと
今、粗食が見直されています。「粗食」とは「粗末な貧しい食生活」という意味ですが、これじゃ食べ物に失礼。栄養士の幕内秀夫さん初め多くの人たちがは、「日本の豊かな自然の中から生まれた素晴らしい食生活」という意味で「素食」を提唱しています。ここでは、現代の食生活の問題点や、素食のすばらしさについて御紹介します。
戦後急激に変化した、私たちの食生活
私たちの食事は、高度経済成長期以後、急激に西洋化され、油脂、肉類、糖分の摂取量が増加しました。また旬がなくなって冬でもきゅうりやトマトが手に入り、流通の発達で、遠くの地方や海外の食べ物も簡単にスーパーで買えます。数量から見ると、本当に豊かで便利です。
食べ物は豊かなのに、カラダは貧弱に
食べ物が豊かになって、子どもの身長は伸び、スタイルも欧米人並みに足の長いチョーカッコイイ子が増えてます。でもその中身は? 子どものアレルギーは4人に1人。また骨はもろく、骨粗しょう症など、カルシウム不足が指摘されています。
ガンや糖尿病・心臓病などの生活習慣病は大人だけでなく、子どもたちにも増加が見られます。また近年大騒ぎになったO157は、昔からきっとこの世にあったものなのでしょうが、私たちのカラダの免疫力が低下していることも、発症の一つの原因なのではないかと思います。
問題の一つは、食べ方です
では、まだ栄養が足りないの? いえいえ、私たちの食べ方に問題があるのです。私たち日本人は、高度経済成長期まで、穀類を主食に野菜、魚介類、海草類をしっかり食べてきました。
それが急に西洋食が普及し、食生活の変化にカラダがついていけず、アトピーやアレルギー、生活習慣病が増えてしまったと言われています。
現在世界的に、伝統的な日本の食事が注目され、また伝統的な食事=「粗食」(素食)を提案する本もいろいろと出て、ブームになっています。
カラダに与えるストレスがいっぱい
食生活の変化だけでなく、他にも環境汚染・精神的ストレス・化学合成物質など、私たちのカラダは、いろいろなストレスによるダメージを受けて免疫力が低下し、生きる力そのものがダウンしています。
こうなると、問題は食べ物の話しだけでなく、すんごい複雑。一人で解決できるものではありません。でも、一人ひとりが、今生きているこの場から、食べ物のことや暮らし方を見直し、自分ができることからやってみる。それが大切だと思います。