情報の嵐を避けるために
すべてのものには、2面性があるのでは?
卵は、完全栄養食とか言われているけれど、一時コレステロールが高いとも言われていまたよね。
いかやたこもコレステロールが高いと言われていましたが、実はコレステロールを下げるタウリンが豊富に含まれていることも知られるようになりました。
なんかこの頃の健康ブームで食べ物の栄養成分がすごく注目されている。みかんの皮がカラダにいいとか、トマトのリコピンがガンにいいとか。
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情報の嵐に、すごくしんどくなっちゃう時があります。
研究が進んで、ガンの治療薬ができたり、元気に暮らすために貢献してもらえるのは良いことなんだけど、情報に振りまわされて、ガン予防のために「今日もトマトのリコピンをとるぞ!」と必死に食べるのも?です。
私の父は、高血圧を抑える薬を飲んでいました。テレビで納豆が高血圧によいと聞いて毎日のように食べていました。2年ほどたって、お医者さんにそのことを言うと、この薬を飲んでいる時はそんなに食べてはダメと言われたそうです。
いろいろな研究データを参考にすることも大切。でも、それがすべてではないと思います。一つの情報だけを受け取っても、全体的に考えないとこわいこともあるのです。私は、すべてのものは良いところ、悪いところ、清濁あわせもっているんだと考えたいなー。まだまだ未知数のことの方がいっぱいあるだろうし。
食べ物は、カラダを作る。これは基本です。でも、業としてではなく、まずはおいしく楽しく食べたいよね。
伝統食は嵐の中で導く灯台
こんなふうに、情報が多すぎて迷う時には、私は伝統食に叶うことなのか、どうかを考えます。例えば、いくらパパイヤがカラダによいと言っても、冬になっても南国のフルーツを食べるのは、カラダを冷やしてしまうからやめよう・・・、というように。
旬や一物全体、身土不ニなどの伝統食の考え方に基づけば、自よう方に振り回されることも亡くなります。私たちは情報の嵐の海にさまよう小舟とすれば、伝統食は灯台のように、私たちを安全な岸辺に導いてくれるのです。
このサイトを読んでくださった方から、ご指摘を受けました。
その方は、きちんとすべて読んでくだり、よい評価をしてくださった上で、唯一納得いかないのは、このページだといわれました。
更新以前は「ガン予防のためにトマトのリコピンをとろうとするのはめんどう」「1日30品目にこだわりずきるとしんどい」などという書き方をしていました。
「今は昔と比べて、野菜一つとっても栄養価が違ってきている。その栄養価を考えなくてよいというような考え方はおかしいし、しんどい、めんどうとかいうくらいなら、食べ物にこだわる必要はないのでは? 」というような内容の指摘を受けました。
私だったら、しんどいなーと思ったのは事実。でも、乱暴な表現だったかしらと反省し、訂正しました。食と健康で書いているように、昔と野菜の栄養が違うことや、旬を無視した栽培が栄養価を下げることも知っています。ここでは、だからこそ、日本に生きる人が、日本の風土や自然の摂理から離れ、旬を無視した食べ方をするのはよくないと言いたいのです。伝統食のよいところも参考にしてほしい。栄養価や所要量も、食品成分表の六次改訂で修正された部分があります。まだまだ人間がわかっていないことはたくさんある。今わかっていることを参考にすることは、私もします。皆さんに、新しい話題としてご紹介することもあると思います。でもそのデータに、とらわれすぎるのは、こわいことでもあります。