キノコに豊富な抗酸化作用物質
キノコが、抗酸化作用のあるエルゴチオネイン(ergothioneine)の自然供給源として第一級の食品であるという報告がなされた。その量は、これまでによい抗酸化作用食品とされてきた小麦胚芽や鶏レバーをしのぐという。
この研究は、ウシ組織に含まれるエルゴチオネインの量を測定するために普通に用いられている技術を、食品に応用したもの。米ペンシルベニア州立大学の研究者らは、米国のどこでも売られているマッシュルームが小麦胚芽の12倍、鶏レバーの4倍の抗酸化作用物質を含むことを突き止めた。
米国で普通に売られているキノコの中では、ポルタベラやブラウンマッシュルームのほうが、マッシュルームよりもエルゴチオネイン量が多かったが、シイタケやヒラタケ、エリンギ、マイタケなど外国産キノコではさらに多く、小麦胚芽の40倍というものもあったという。
この研究は、ワシントンDCで開催された米国化学会(ACS)年次集会で発表された。専門家によると、抗酸化作用物質は人体の細胞の酸化を防ぎ、慢性疾患のリスクを減少するという。