足が無性にかゆい・・・
昔は、一日中靴を履いて歩き回るサラリーマン男性の悩みといわれていた水虫ですが、最近は若い女性の間でも水虫で悩んでいる人が増えているようです。女性の行動範囲が広がったことで、スポーツクラブやゴルフ場、温泉、サウナ、プールなどのバスマットや、
エステサロンのスリッパなど水虫に感染する機会が増えたこと、そしてブーツなどの通気性の悪いファッションの流行などが原因といわれています。また、ルーズソックスも水虫にとっては格好の温床らしく、女子高生さえも水虫で悩むようになっています。
水虫は、白癬菌というカビによって起こる病気で、医学的には足白癬と呼ばれます。白癬菌が足の裏や足の指の間などの皮膚の角質層に寄生して起こる病気です。
水虫には大きく分けて3つのタイプがあり、足の指の間がジクジクして皮がふやけたり、むけて剥がれてしまう「趾間型」、小さな水疱が足の裏や側面に現れる「小水疱型」、足の裏の角質層が厚く硬くなり、ひび割れたりする「角化型」があります。このうち、かゆみを伴う趾間型と小水疱型が多く、角化型はかゆみもなく、あまり起こりません。
カビの仲間に対して用いられる薬を抗真菌剤といい、足白癬では主に外用抗真菌剤を用います。体のほかの場所と比べて足の角質層はかなり厚くなっており、白癬菌はその角質層の深部に寄生するので、薬が菌のところまで到達するのは、容易ではありません。したがって、外用剤をかなり長期間続ける必要があり、少なくとも1カ月くらいはかかるでしょう。角化型では、外用抗真菌剤に加えて内服抗真菌剤が必要で、治療にかかる期間は長くなります。
また、かゆみがなくなっても角質層の奥に白癬菌が隠れている可能性が高いので、3カ月はそのまま治療を続けましょう。
自分でできる対処としては、いつも清潔にすること、風通しをよくして乾燥させることです。特に指の間はタオルでよく拭いたり、ティッシュを間に挟んだりしてよく乾かしましょう。靴が湿っていると、白癬菌が繁殖しやすいので、できるだけ3足以上を交代で履くようにします。足は1日にコップ1杯分の汗をかくので、一晩で靴は乾きません。職場でもできるだけ靴下やストッキングをまめに履き替えましょう。
また、皮膚がむけて一緒に部屋の中などに落ちた菌も数カ月生きているので、掃除機をこまめにかけ、足ふきマットなどもこまめに洗って、日光でしっかり乾かします。根気よい治療とともに、このようなケアを心がけましょう。
また、本人は水虫と思っていたけれども、症状が似た別の皮膚病という場合もあり、薬によってかえって悪化することがあります。一度皮膚科を受診するのが一番の早道です。原因が白癬菌であるかどうかすぐに調べてくれます。早めに皮膚科を受診することをおすすめします。