メンソールのたばこでインポになる?
膣に挿入するのに十分な勃起ができない、つまり性的刺激があってもペニスに全く反応がない場合と、勃起を維持することができない状態をインポテンツといい、これには、器質的インポテンツと機能的インポテンツがあります。
器質的インポテンツは、性器官の奇形や神経・中枢機能障害といった器質的な欠陥が原因。この場合は、すみやかに専門の医師に相談し、治療を受けなければなりません。
そしてもうひとつが、機能的インポテンツ。こちらの方がより重要な問題で、糖尿病、腎臓病、肥満など全身の病気によるもの、神経質な人にみられる神経性の不能、精神的な性欲不感症などがあげられます。とくに最近は、ストレスや生活環境の不満などの心理的な原因による比較的不能症ともいえるインポテンツが増えており、大きな問題となっています。
たとえば相手に笑われないかという劣等感、義務感だけのセックスによる不満と負担感、インポテンツへの恐怖感などがそれ。ほかにも相手の女性がいやになってしまったり、精神的な過労や衰弱などもインポテンツの原因となります。休養と栄養を十分とって、体力を回復させることが大切です。
では、そもそも勃起とは、どのようにして起こるのでしょうか。
勃起の秘密は、勃起をつかさどる神経と大量の血液にあります。普通、性欲が起きると、脊髄にある勃起中枢が命令を下してペニスのなかの筋繊維を緊張させ、静脈の出口を締めつけます。同時に一方では大脳からの命令によって動脈が膨張して血液が海綿体に充満し、ペニスを硬く勃起させるのです。
つまりは勃起中枢の指令によって動脈の関門が開き、そこに勢いよく血液が流れ込む。これが勃起のメカニズムなのです。
勃起は、その原因によって、性的勃起と反射性的勃起のふたつに分けることができます。
性的勃起は精神的、情緒的な刺激によって起こるもので、女性のヌード写真をみたりした時などに起こります。視覚や聴覚、臭覚などを通して大脳が興奮し、その刺激が勃起中枢まで伝わるのです。
一方、反射性的勃起では、ペニスやペニスの周辺に加わった直接的な刺激、たとえば手や足が触れることで起こる勃起。今度は陰部神経を通って勃起中枢に刺激が伝わります。
また、こうした性的な刺激や心理作用のほかにも勃起が起こる場合があります。それが、朝立ちです。尿の充満した膀胱が近くにある精のうを圧迫し、その刺激が伝わって射精反応を始めようとするために起こるものです。
さて「メンソールのタバコを吸っているとインポになるのか」という問題ですが、結論からいうと、「10年以上もの長い間メンソールタバコを吸っていると、メンソールが脊髄にある勃起中枢に影響を及ぼし、機能を低下させる可能性もある」ということが昔からいわれています。2、3年という短い期間であれば問題ないようです。しかし、これらはあくまでも俗説であって、科学的根拠があるわけではありません。
ただ、メンソールだけに限らず、タバコを吸うことにより血液循環が悪くなることは確か。タバコに含まれるニコチンには、毒物として中枢神経に影響し、末梢の血管を収縮させる作用もあります。勃起とは、先にも述べたように、血管が広がって急激に大量の血液が流れ込むために起こるものです。そのため、血液循環が悪くなると勃起しにくくなるということも考えられます。
ともかく「百害あって一利なし」といわれるタバコですから、病気予防のためにも量はほどほどに。自分の身は自分で守りましょう。