膣の場所で感じ方が違うの?
セックスの体位には「四十八手」といわれるほど、さまざまなものがあります。
しかし、誰にもあてはまる好みの体位、最高の体位というものはありません。感じる体位は人それぞれ。正常位でなければ感じない人、後背位のほうが気持ちいいという人、騎乗位が一番感じやすい人……男女に関わらず本当に個人によって違います。テクニックや通説ばかりに偏ることは危険です。
最高のセックスのスタイルは、カップルの数と同じくらい無数にあります。二人で話しあってトライ&エラーをくり返しながら、お互いが気持ちよくなれる体位を探してみてください。
基本中の基本といえる正常位は膝を曲げたり、両足を男性の体に巻き付けたりすることで、微妙に挿入の角度を変えることができます。気持ちよく感じるポイントは微妙に異なります。
女性が積極的に動けて快感を得ることができるのが女性上位、騎乗位です。腰の動かし方次第で自由に快感がコントロールできます。
後背位いわゆるバックや肘膝位は、クリトリスへの刺激がありませんから、快感を得られる人とそうでない人の差が大きい体位。Gスポットや膣壁への刺激でオーガズムを得るような人にとっては刺激的です。
側位は挿入が浅くなりますが、足の位置を変えることで角度や深さにさまざまなバリエーションが生まれます。体重がかかりませんから妊娠中でも安心な体位です。
膣の開口部が肛門から遠い場合を「上つき」、肛門に近い場合を「下つき」という呼び方があります。上つきは名器、下つきは淫乱などという俗説もあるせいか、自分が上つきなのか下つきなのか、気にする人も少なくありません。しかしこれは医学的にいってまったく根拠のないことです。
上つき、下つきなどということが問題になるとすれば、セックスをするときの相性かもしれませんが、それにもペニスの角度や体位、体の相性などさまざまな条件がかかわります。膣の位置だけで快感が左右されるとは考えにくいもの。体の構造よりも、もっとも感じやすい体位を工夫するほうが大切です。
ちなみに肛門から膣までの距離は、4cm程度であるのが一般的とされていますが、これが5cmだったり3cmだったりしても、ほんの微妙な差でしかありません。極端な違いなどないということを知っておきましょう。
また、子宮の前屈と後屈を上つき・下つきと混同している人がいますが、これらはまったく異なるものです。おなかと背中の間に真っ直ぐ腺を引き、子宮の断面図を見たとき、子宮がおなか側に向いているものを子宮前屈、背中側に向いているものを子宮後屈といいます。