多彩な症状で発覚?性感染症のかたち
開放的な夏の後遺症?!
中秋の名月も過ぎてすっかり秋深くなりました。食べ物も秋らしいものが出回り、昔からこの季節には「柿が赤くなると医者が青くなる」「秋刀魚が出ると按摩さんがひっこむ」ともいわれ患者さんが減少するようで。暢気なわたしは「みんな元気でけっこう!」と喜んでいるのですが。ただ今年はこのコラムのお蔭か忙しくさせてもらっています。
なかでも解放的な夏のアバンチュール(また死語)の後遺症でしょうか。「お腹が痛くて」、「膀胱炎が中々すっきりしない」「おりものが増えて臭気も・・」「耳鼻科で見てもらっても喉の痛みが治まらない」という方々にお目にかかります。
クラミジア、淋病、そして・・・エイズ
全てではありませんがいずれの症状も微妙に性感染症を彷彿させます。中でも最近はオーラルセックスの影響か咽頭(のどですね)のクラミジア、淋病が増えているようです。また、患者さんもそうした知識をネットなどで収集して来てくださるせいでしょうか。増えているのか潜在していたものが暴露されたのか?微妙な部分もありますが感染症が早くに見つかり、人に蔓延することなく収拾がつくことは医学的には素晴らしいことです。クラミジア、淋病ならいずれもお薬で治りますが、困るのはまだ特効薬のないエイズ。なにしろ「まだわたしだけは大丈夫」という方が多く、増え続けているようです。またクラミジアなどが存在すると何らかのバリアが破壊されエイズなどにも罹り易いとされています。
SEXの最低限のマナー
ただお薬で治るから大丈夫なんて考えて注意しないと、薬に対して耐性ができて薬の効果が出にくくなり、なかなか治らないケースにも遭遇します。また大変まれですが肝炎などもSEXで移ることもいわれています。そうした状況での予防策の一つとして保健所でも匿名、無料でエイズ、クラミジアの抗体を検査してくれるところが増えています。
避妊はピルで、性感染症の予防はコンドームで!が婦人科医からのお願いです。自分の体を病気から守り、相手にもうつさない。それがSEXをする際の最低限のマナーでは?と感じます。