乳首が黒い女性は遊んでいるの?
乳首、乳輪の色は文字どおり十人十色。ピンク、赤っぽい色、小麦色、茶色に近い色などさまざまです。
乳首の色は、メラニン色素がどれほど沈着しているかで決まります。妊娠すると乳首の色が濃くなるのは、脳の下垂体という器官の中葉部分から分泌される、メラニン細胞刺激ホルモンの影響によって、メラニン色素がより沈着するようになるからです。乳首の色が性体験の影響で変わる、などということはありません。
メラニン色素は、体のなかでも、保護したい大切なところに多く沈着します。外陰部にも多く沈着しているので乳首と同じように、他の皮膚より色が濃くなっています。
乳首の色と同様に「性体験のない女性の外陰部はピンク色で、性体験が豊富だったり、マスターベーションしている女性は黒くなる」といわれることがあるようですが、これももちろんまったくの嘘。
赤ちゃんのころは、外陰部はたしかにピンク色をしています。しかし、思春期に入り、女性ホルモンの分泌が多くなるとともに、だんだん色が濃くなっていきます。ホルモンの影響を受けて、メラニン色素が次第に沈着していくためです。そうして、成熟した女性の外陰部は、褐色に近い色になって完成します。つまり、色が濃いというのは、正常に女性ホルモンが働いてきた証拠なのです。
小学校低学年あたりまでは、女の子も男の子も胸は同じように平らです。思春期を迎えると、女性ホルモンの影響によって、だんだんと変化が表れてきます。
まず変化するのが乳頭部分。米粒のようなものだっのが、プクッとふくらみ、色づいていきます。内部では乳腺が発達し始め、月経が始まるころになると、そのまわりを脂肪が厚くとり巻くようになります。こうして乳房全体が丸みを帯びていくのです。
できあがった乳房の大きさや形は、顔立ちや体つきがみんな違うように本当に千差万別です。
このことは乳首の色や形、大きさや位置についても同様です。大豆のような大きい乳首もあれば、小豆のような小さい乳首、先がいくつも小さく割れている乳首、うぶ毛が生えている乳首と、バラエティに富んでいます。また、同じ人でも、その大きさが常に一定しているわけではありません。月経直前のとき、性的刺激を受けたとき、妊娠・授乳のときなどは、大きく硬く張るのが普通です。
なかには陥没乳頭と呼ばれている、乳首がへこんでいる人もいます。また、扁平乳頭と呼ばれる、へこんではいないものの、ほとんど突き出ていない乳首の人もいます。わざわざ名前がつけられていますが、いずれも病気などではなく、日常生活に支障が出ることはありません。
乳房全体から乳首まで、大きさや形、色などにこだわる人は多いのですが、見た目への偏見はやめにしたいもの。それだけ乳房・乳首は人それぞれなのです。
ところで身体の状態で性体験の有無や、性体験が豊富であるかどうか見分けることができないのは男性も女性も同じことです。相手が過去、現在を通じて自分以外のパートナーをもっていると、心配なのは性感染症ですが、これも見分けることはできません。これを防ぐ方法はお互いの健康、とくに性感染で被害を被りやすい女性の健康のために、毎回コンドームを使用することです。最近は女性用のコンドームもありますので、二人で工夫して、楽しみながらセックスのリスクを回避することをお勧めします。