性病の悩み -亀頭部にいぼが-
尖圭コンジュロームは、いぼのウイルスが陰部や肛門につくことから起こります。このウイルスをヒト乳頭腫ウイルスといい、たいていは性行為によって皮膚に感染していきます。白っぽくて細かく小さないぼが散在、または多数集まってできる病変です。
自覚症状はあまりなく、いぼができても痛くもかゆくもないのが特徴ですが、放っておくとどんどん大きくなり、いも虫が群生したようになることがあります。さらに悪化すると、コンジュロームがつららのように大きくなってしまう人もいます。
男性の場合は包皮、亀頭部、尿道口にできやすく、陰茎にコンジュロームをもった男性がホモセクシュアルだったため、パートナーの男性の肛門にコンジュロームができてしまったといった例もあります。
女性がかかる場合も多く、陰唇、膣入口部周囲、尿道口、肛門部に現れます。また感染した女性のなかには、肛門のコンジュロームを痔核と間違えて肛門科を訪れ、そこから皮膚科の紹介を受け、受診した人も多くいます。
陰部のいぼに気がつかない女性は多く、さなぎのように大きくなり、1年もたってから病院へかかったケースもあるほどです。
初期のものは、液体窒素の圧抵法を数回行えば治ります。大きいものはコンジュロームの部分を外科的に切除し、残ったところに圧抵法を行って完治させます。ほかの性行為感染症と同じく、パートナーもいっしょに治療することが不可欠です。
経験豊かな風俗嬢は、細心の注意を払い、お客さんがコンジュロームにかかっている場合、教えてあげるのも仕事のうちとか。
尖圭コンジュロームが大きくなってしまうと切除しないとならないので、早めに発見して専門医を受診するようにしましょう。気になるようなら、自分で鏡に映して肛囲をみてみましょう。性器であれ、肛門であれ、自分の体の一部ですから、変調を見逃さず、早期発見、早期治療をこころがけるのは、ほかの病気と同じです。