月よりの使者?月経の大切さと月経困難症と
婦人科と月の関係??
虫の声も耳に届き夏の暑さも少々癒える夜、涼みながら(年齢を重ねてきたせいか)月を見ると妙に心和みます。若いころは「夏は太陽と友達!」恐れも知らず紫外線とも仲良くなり、日焼け止めも十分に付けず今ごろシミに悩まされ泣いております。さて「婦人科と月」というと「梅に鶯(うぐいす)、松に鶴!」(花札ですが:ご存知の方いない??)に匹敵するぐらい職業柄、月経痛を思い浮かべてしまう私。月経痛、生理痛をお利巧そうにいうと月経困難症と呼び、月経中薬を飲んでも十分に効かない、仕事や学校に行けないほど痛みが厳しい場合をこう呼びます。
月経困難症の症状とは?
月経困難症の原因は子宮筋腫、子宮内膜症が隠れていることは周知の事実。子宮筋腫の場合は生理の量が異常に増えて塊を供い、腹部の違和感、トイレが近いなどの症状があり、また子宮内膜症の場合は筋腫の症状に加え性交痛、進むと生理以外でも腹部違和感、腹痛を認めることがあります。筋腫・内膜症いずれも不妊症に至るケースも少なくなく注意が必要です。あと心療内科の先生も報告されていましたがストレスでも月経困難症が強くなることもあるようで・・。
月経は毎月のお給料と思って大切に
近年低用量ピルの普及で無計画な妊娠を避けると共に月経痛も減少、又こうした知識を若い方々が知ってくださるのは婦人科医としては大変嬉しい限りですが、逆に若い方の中には不妊に繋がるという危機感の乏しさからか「生理なければ痛くないし楽!それに、ナプキン買わなくていいし生理のわずらわしさからも解放されるし!」と少し心配な意見も外来で耳にします。
同業者の母はよく外来で「月のもの」と表現していました。昔はまあ風流な・・と思いましたが最近では其れを実感、患者さんにも「月経というくらいだからからだにとってはお給料くらい大切。骨粗鬆症や高脂血症も防ぎますよ」と説いています。月経は体にキチンと女性ホルモンが入って体が整っているというお知らせでもあります。
中秋の名月の秋を控え月経についてももう一度考えてみましょう!