気力がなくぼーっとしてしまう
何かひとつのことに全力投球したあと、まるでモーターが切れたようにパワーダウンしてしまうことを「燃え尽き症候群」といいます。
仕事をしようという気持ちがまったく起こらなくなり、だるさや頭痛、肩こり、めまいなどの症状がみられ、なんとなくぼーっとするようになります。これは、心身のエネルギーを使い果たしてしまうことからおこるといわれています。
燃え尽き症候群に陥りやすいのは、有能で、努力家の人。仕事が思うように順調に進んでいるときには優秀な成績をあげますが、いったん行き詰まったり、目標が高すぎたり、失敗したりすると、急に気力を失ってしまいます。同期より出世が早かった、きまじめで要領が悪い、完璧主義で手抜きができない、男性に負けたくないと思っている、といった傾向のある女性は、特に注意が必要です。
また、燃え尽き症候群と似たような症状を示すものに「空の巣症候群」がありますが、これは、子育てが終わった更年期の女性に多くみられるもの。子育てをしている最中は、毎日忙しく動き回っていたのに、急に何もやることがなくなってしまい「まるで我が家は空の巣のよう」と、無気力になってしまいます。
ここで、燃え尽き症候群のチェックテストをしてみましょう。次の項目に◯×で答えてください。会社勤めをしていない人は、1 〜3 の質問には「勤めている」と仮定して答えてください。
<燃え尽き症候群自己チェック> 1. 他の人より出世が早い方だ
2. そのへんの男性より仕事ができると思う
3. 男性、あるいは同期のライバルには負けたくない
4. きまじめで要領はよくないが、努力家である
5. なにごとも完璧にこなさないと気がすまない
6. 比較的、レベルの高い学校を出ている
7. 忙しい仕事が、ちょうど一段落したところだ
8. めまいや頭痛、肩こり、疲労感に悩んでいる
9. 一人で考え込む時間が増えた
10. 仕事上のミスが以前より増えてきた
11. 「昔はよかった」と考えることが多い
テストの結果、×より◯の数が多い人は、要注意。ほとんどの項目に◯がついてしまった人は、一度専門の病院で相談をしてみましょう。
燃え尽き症候群は、一時的なものであればそれほど心配なものではありません。もともと頭が良く、理解力もある人が多いので、セルフコントロールのコツさえつかめれば、今後は上手に生きていくことができるはずです。
症状の改善には、何よりもまず、休養をとることが一番。趣味やスポーツの時間を惜しまず、友だちとおしゃべりを楽しむのも有効です。このタイプの人は、なかなか休もうとしないことが、いちばんの欠点。まずは、心身ともにゆっくり休むことが必要なのだということを理解してください。
そして、燃え尽き症候群を予防するためには「いちずになりやすい」「無理してがんばり過ぎる」といった自分の性格に気づくことも大切。仕事以外の友人や趣味をもち、心にゆとりをもちましょう。バランスのよい精神状態を保つためには、ふだんからよい意味での逃げ道をつくっておくのが一番なのです。