女性の髪の毛にしか興奮しない
あなたは女性の髪の毛に強い興味をもっているようですが、これは簡単いえば、自分がどんなものに興味を示すかという好みの問題であるといえます。誰でも特定のものに対して興味を示すものです。例えば女性の体のなかでも、ある人は胸だったり、ある人は足だったり、お尻が好きだったりします。これもいわゆるフェティシズムといえます。誰でもそんな傾向をもっており、あなたの場合はそれが女性の髪の毛だったというだけです。
また、セックスのときの行為としても、人によって胸を揉むのが好きとか、足をなめるのが好きというような好みがあります。これも普通のことです。ただ問題となるのは、例えば傷がつくほど非常に強い力で胸をつかむという行為に進んだ場合に、相手が困らないか、嫌がらないかということです。相手が困ったり、相手に対して害があるようだと、それは個人の好みの問題だけではなくなってきます。
あなたは自分が異常かどうか悩んでいるようですが、性においての正常と異常の分かれ目とは何でしょうか。現代の性科学(セクソロジー)においては、性の異常性の定義として、社会に害を与えていないか、相手に害を与えていないか、健康に害がないか、の3つが考えられています。
これは逆にいえば、プライベートな場面で個人が性的満足を得ている限り、そして相手とお互いに求め合っている限り、ほとんどの場合が異常ではないわけです。あなたのように女性の髪の毛に欲情するほかにも、女性の下着や靴などの特定のモノに対して欲情し、それを使って自慰行為をしたりするケースがありますが、これも個人の好みの問題なのです。無理に悩む必要はありません。
しかし、公衆の面前で自慰行為をするとか、下着や靴を盗むというような反社会性をもつ行為に及んでしまうと、性の異常性の定義に当てはまってしまいます。この反社会性をもつ行為をしてしまいそうに感じている人の場合は、精神科医に相談したほうがよいでしょう。
フェティシズムに限らず、同性愛、サディズム、マゾヒズム、スカトロジーなどのいろいろな性的傾向があります。自分が異常ではないかと悩む人がいたり、周囲の偏見に苦しむ人も多いと思います。しかし、その性的傾向が強かったとしても、反社会性をもたない限り「異常」ということではなく、「性の少数者」というだけなのです。