梅干やコーラで避妊?
避妊法には、それぞれ一長一短があります。どれがもっとも適した避妊法かということは、年齢や出産経験の有無、相手の協力などの肉体的状況や生活状況によっても異なりますから、一概にどれがいいとはいえません。
そもそも避妊とは、妊娠を防ぐこと。それはすなわち、精子と卵子の受精、子宮内膜への着床を阻むことを意味します。
器具を用いずに避妊する方法としては、膣外射精法やオギノ式、基礎体温法。器具を用いるものには、コンドーム、ペッサリー、子宮リングなどを使う方法や洗浄による方法など。薬物では、ゼリー、錠剤と座薬、ピルなどで避妊することが可能です。さらに男性、女性、それぞれに避妊手術があります。
避妊効果の程度はそれぞれ異なりますが、成功率の低いものについては、単独で使用するのを避け、ほかの避妊法と併用するのがより確実です。
さて、梅干しを膣に入れてセックスをしたり、セックスをした後にコーラで膣を流すと妊娠しないというのは本当か、というご質問ですが、結果からいうと、どちらも俗説です。詳しくは以下の通り。
●膣内に梅干しを入れると妊娠しない?
洗浄で避妊をする場合、洗浄液に酢を少量たらすと効果があるともいわれていますが、梅干しを入れることに避妊効果は期待できません。おそらくこれは、精子が酸性に弱いということから生まれた俗説でしょう。むしろ梅干しによって炎症を起こす危険性もあります。
●セックスの後、コーラで膣を洗浄すれば避妊できる?
コーラを振って泡立て、勢いよく噴出させて膣に押し込み、洗浄しようというもの。理屈は洗浄法にかなっていますが、避妊を目的とする場合、コーラ1本ぐらいではとても足りません。またコーラの成分で膣内が炎症を起こす恐れもありますから、好ましい方法とはいえません。
避妊に関しては、その他にも昔からさまざまな俗説があります。いくつか例をあげてみましょう。
●生理直後は妊娠しない?
これを信じている人は以外と多いようですが、まったくの俗説。オギノ式によれば、排卵日は次の生理前の12〜16日の5 日間。しかし当然のことながら、生理の後、何日目に排卵があるのか正確にはわかりません。また、精子の生存期間にも個人差があって、生理直後のセックスで射精された精子が排卵日まで生きながらえることもあります。
●生理直前は妊娠しない?
生理直前は、すでに排卵後ですから安全日ではあります。しかし、生理直前であることを正確に知ることは不可能。生理周期が規則正しい人であれば、だいたいの予想はできますが、生理が不順だったり、生理前であっても体調に何の変化も訪れないような場合、生理の直前を知るのは困難です。ですからこれも、妊娠の可能性がないとはいえません。
●不感症の人は妊娠しない?
避妊に、女性の気持ちや興奮度は関係ありません。男性は性的に興奮しないければ勃起をしませんのでセックスもできませんが、女性の場合は性的興奮がなくてもペニスの挿入が可能。射精を受ければ、当然妊娠の可能性があります。
●出産後、生理があるまでの間は妊娠しない?
出産後、母乳を与えていると3 〜6 カ月、長い女性の場合1 年くらい生理がこないことがあります。これは母乳を出すことで、排卵が抑えられているため。排卵がなければ、当然妊娠はしません。
しかし「出産後、生理のあるまでは妊娠しない」というのは誤り。出産後に生理があるということは、それ以前に排卵があった証拠。ということは、生理を迎えてから避妊したのでは遅いのです。これで失敗するケースは非常に多くみられます。