ハゲてる男性は精力絶倫?
今は元気に性行為を重ねている人も、年齢とともにパワーが落ちていくのは仕方のないこと。もちろん個人差はありますから、年をとっても精力絶倫という人もなかにはいるはずですが、一般的に精力は加齢に反比例し、徐々に低下していくものです。
そこで気になるのはその寿命。いったい何歳まで人は性行為が可能なのでしょうか?
40年ほど前に行われたアメリカのセックス調査『キンゼイ報告』によると、老人の週間射精回数は、66歳で1回、75歳で0.3回、80歳代で0.1回。今の高齢者の実体とは多少異なる点もあるかと思いますが、このような結果がでています。
ペニスの勃起力は18歳ぐらいでピークを迎え、20代を過ぎて30代になると、若いころとは違うという自覚が自ずと芽生えてきます。睾丸でつくられる男性ホルモンも、10代後半から20代前半がピークで、40代に入るとピーク時の7割ほど、60〜70歳では約半分以下になります。
でも、だからといって決して性行為が不可能になるのではなく、勃起や射精は十分可能です。ところがここで問題なのは、脳の働き。勃起や射精は、その指令を出す脳の働きと大きな関係がありますが、この脳の働きも20代を境にどんどん低下していくといわれています。つまり、脳の老化も性能力の低下のひとつの要因になっているのです。
ある報告では、肉体労働者と頭脳労働者とを比較した場合、性欲や勃起力、性交回数などあらゆる性的な能力が、肉体労働者よりも頭脳労働者のほうが上回っていたとされています。
現役をいつまでも続けるためには、脳の老化を防ぐとともに、日頃から女性に対する気持ちを強くもつこと。若い女性と恋をしたり、旅行にいくなどして楽しむことが若返りにつながります。そして、朝体操をしたり、入浴時に下腹部をマッサージしたりしながら、全身の血行をよくすることも若さを保つ秘けつです。
ペニスの大きい人は精力絶倫、と思っている人もいるようですが、実際、ペニスの大小と精力の強弱にもあまり関係がありません。それより重要なことは、勃起力。勃起力とは、拡張力、硬さ、勃起角度を総合したものをいいます。
ではこうした勃起力を鍛えるためには一体どうしたらいいのでしょうか。
よく、ペニスをたたいたりこすったりして刺激を与えるといいといわれますが、かりにこの方法で勃起したとしても、それは一時的なもの。ペニスを傷つけることにもなりかねませんから、たたいたりすることはやめましょう。
また古くから知られている方法に「金冷法」というものがあります。精巣にさっと冷たい水をかけて冷やす方法です。精巣は熱を放出しないと機能が低下してしまうため、冷たい水をかけて機能を回復させようというものですが、これも科学的根拠はなく、あまり効果も期待できません。ただし、温めたり冷やしたりすることによって血行を促進し、神経に効用をもたらし、機能を高めるともいわれています。
また、入浴の際にペニスや精巣をよくマッサージする方法もあります。徳川時代の将軍たちは、マッサージにぬか袋を用いていたそうです。このマッサージによってペニスの血行をよくし、精子をつくる精巣を鍛えるわけです。この方法もあまり根拠のあるものとはいえませんが、皮膚の抵抗力が高まる方法とはいえそうです。
さらに、精液の製造に大きくかかわる前立腺をマッサージする方法も知られています。たっぷりと精液があると、性感も豊かになり、それだけ勃起力を高めることにもつながります。肛門の前方にある前立腺を軽くマッサージします。
しかしなんといっても、勃起力を高めるためには、体の筋肉を鍛えるとともに、セックスでもオナニーでも射精をすることが大切です。射精しないでいると、機能が衰え、勃起力が弱くなります。また、体に栄養が行き渡っていないと、精巣や前立腺などの機能も低下してしまいますから、バランスのとれた食事を心がけることも大切。そして勃起と射精をつかさどっているのは自律神経ですから、ストレスを避け、精神的なバランスを保つことも心がけましょう。
精力絶倫には、まず健康な体ありき。これを忘れないようにしてほしいものです。