美肌 -皮膚の構造-
化粧品メーカーがこのほど実施した「顔の美醜観」についての調査によると、色白で大きな目に長いまつげ、小さい口、細く高い鼻を理想とする人が多かったそうです。この傾向は10年間変化がないとか。
顔のつくりはともかく「きれいな肌」も美醜を左右する重要なポイントです。20年後、30年後も若々しく美しい肌を保てるかどうかは、今のケアにかかっています。正しいお手入れを実践して、「美肌」を手に入れましょう。
美容に関する情報は、雑誌やインターネットなど、まさに百花繚乱。たくさんの情報の中からどれを実行したらよいのか迷ってしまいます。まずは、なんとなく読み流してしまいがちな「皮膚の構造」について、おさらいしておきましょう。
◆「ターンオーバー」が美肌のカギ お肌は28日周期で生まれ変わる
皮膚は一番外側に表皮、その内側に真皮、皮下脂肪組織と続いています。表皮は基底層、有棘層(ゆうきょくそう)、顆粒層、角層と呼ばれる4層の表皮細胞層からできています。個人差はありますが、表皮細胞は平均28日周期で新しく生まれ変わります。表皮層の一番下の基底層で誕生した細胞は、徐々に皮膚表面に押し上げられ、やがて垢となってはがれ落ちるのです。これをターンオーバーといい、この代謝が順調であることが、美しい肌づくりの大事な条件のひとつです。
角層は表皮細胞に由来するケラチン、脂質、アミノ酸などから構成されています。ケラチンは熱や酸・アルカリにも安定なたんぱく質です。脂質にはコレステロール、脂肪酸、セラミドなどが含まれています。角層の構造をブロック塀にたとえると、ブロックがケラチン、ブロックとブロックの間を埋めるセメントがセラミドと考えると理解しやすいでしょう。
角質に含まれる水分量は約33%。12%が細胞間脂質、20%がケラチンに含まれています。皮膚の一番外側にある角質層は、皮膚の水分や保湿成分の喪失を防いだり、外部からの刺激から守る働きがあります。まさに食品などを包む“ラップ”のような役割です。そのため、ターンオーバーがうまくいかないと、肌がざらついたり、乾燥したりしてしまうのです。
あてにならない肌質チェック
百貨店の化粧品売り場で調べてもらったK子さんのある日の肌は―。
まずコーセーのマイクロスコープ診断。「水分も脂分も不足、新陳代謝も力が落ちています」次にカネボウのセンサーで計測。「水分は十分。新陳代謝もいいですが、皮脂が多い」資生堂はマイクロスコープで「乾燥肌、特にほおが水分不足」アルビオンはセンサーで「ややドライ。額の脂分は多いのでコンビ肌」花王のセンサーは「保水力が落ちているが、乾燥肌ではなくどちらかといえばオイリー」
会社によってドライ・オイリーの定義や計測理論はバラバラなんです。いったいどんな化粧品を使ったらいいの?