人差し指よりも薬指が長い男性は攻撃的
薬指と人差し指の長さの比により、男性の身体的攻撃性の素因が予測されることがカナダでの研究で明らかにされた。薬指に対して人差し指が短いほど、胎児期のテストステロン(男性ホルモン)量が多く、その男性が身体的に攻撃性を示す確率が高いという。研究結果は精神医学誌「Biological Psychology」3月号に掲載された。
専門家の間では数百年にわたって、女性よりも男性の方が人差し指と薬指との長さの比に大きな差が認められることが知られてきた。ここ数年の研究によって、男性の指の長さは、胎内でのテストステロンへの曝露(ばくろ)量に応じて変化することが示唆されてきた。現在、少なくとも男性には指の長さと身体的攻撃性との間に何らかの関係が認められると考えられているが、今回の試験では女性にはそれが認められなかった。
共同研究者のアルバータ大学Peter Hurd博士は「この所見は、胎内で人格や特性のほとんどが決定することを裏づける根拠となるものである」という。ただし、言語による攻撃性や怒りまたは敵対的行動など非身体的な攻撃性との間には、何ら関係は認められなかった
Hurd博士は「人格の評価において指の長さは5%くらいの変異を説明しているにすぎず、今回の研究から個々の人格について結論を導くことはできない」としている。