米国人の半数は睡眠不足で疲労
睡眠不足により米国人は生産性が落ち、危険な運転をし、セックスレスになっている――そのような調査報告が3月28日に公表された。米国立睡眠財団(NSF)が成人1500人を対象に行った「2005スリープ・オブ・アメリカ」調査によると、毎晩よく眠れているのは米国人の半数のみであり、残り半数は週2,3日で、十分に休息がとれていると感じているのは月に2,3日以下という。
睡眠問題は増加しているが、見逃がされがちでもある。回答者の半数に、いびきや睡眠中の覚醒などがあり、24%はそれが日常生活に影響を与えていると答えたが、75%がこれらを睡眠問題とは捉えていなかった。
睡眠不足は他人へ危険を及ぼし、経済、人間関係にも影響する。運転免許保持者の60%が過去1年間に眠気を感じながら運転したことがあり、4%は眠気のせいで事故を起こしたか、起こしかかったという。米国全体では、前者が1億1500万人、後者が700万人ということになる。また仕事をもつ人の3分の1が、過去3カ月間に睡眠問題で、仕事を休むか、仕事上の失敗があった。
配偶者・パートナーがいる回答者では、4分の3以上でパートナーにいびきなどの睡眠問題があり、一晩に平均49分間、1年間で300時間の睡眠を削られている。約4分の1は、疲れから性交の回数が減少するか性交への興味が薄れていた。
対応策として専門家は、就寝前にはアルコール、カフェイン入り飲料ともに避け、また20〜45分間の昼寝を勧めている。
米マウントサイナイ・メディカルセンター(ニューヨーク)睡眠医学総合センター所長のStasia J. Wieber博士は、「米国人は睡眠を重要視していない。睡眠を優先事項にすべきで、いかなる理由にせよ睡眠に満足できていない場合には医療の助けを借りるべきだ」と述べている。