大笑いで心臓もハッピーに
コメディ映画を見て笑うと心臓の血流量が増し、文字通り「心温まる」という知見が報告された。
医学誌「Heart」2月号に掲載のこの知見は、最初、昨年(2005年)オーランドで開催された米国心臓病学会(ACC)年次集会で発表された。同じ研究で「お涙頂戴もの」の映画では逆の影響があり、血流量が低下することも示された。
米メリーランド大学(ボルチモア)メディカルセンターの研究者らは、健康な若者20人に、15〜30分間、コメディおよび悲しい映画の一部分を見せた。各視聴の間は最低48時間空けた。被験者はすべて視聴前夜から有酸素運動、アルコール、ビタミン、ハーブの摂取を控えていた。これらはどれも血流量に影響を及ぼす。
笑いと悲しみの場面の1分前と1分後に上腕動脈の血流を測定したところ、悲しい場面後には20人中14人で血流が減少し、笑いの場面後では20人中19人で血流が増加した。上腕動脈は肩から肘に走る動脈で、体全体の血流量を知るためのよい指標となる。
悲しい映画か楽しい映画かで血流量は50%も異なる。悲しい映画の効果は、怒りの場面を思い出したときや、暗算中に血流量が減少するのと同様に血流を減少させた。反対に、コメディ映画では、有酸素運動をしたときや、コレステロール低下薬スタチン系薬剤治療を受け始めたときと同様に、血流が増加するという。