男性機能の説明
ここでは医学的な難しいことは説明いたしません。
ごく簡単に、男性のペニスの勃起のしくみをお話しておくにとどめます。
(解り易くする為に、医学的言語の使い方やいいまわし方の不備はご容赦下さい)
◆平常な状態
一般的に思われていることは、性的興奮をするとペニスに血液がいきおいよく流れ、ペニスが硬くなり勃起するという事でしょう。
確かにその通りなのですがもう少し詳しく述べますと、逆説的な言い方になりますが、体の他の組織と同じ様に、常に大量の血液が陰茎背動脈から深動脈に入り海綿体に血液が流れると、ペニスは常に勃起状態を続けることになってしまいます。
この勃起状態が長時間続きますと、持続性勃起症(Priapism)といって、海綿体が繊維化して破壊されてしまい、性不能になります。
この様になってはいけないので、平常は陰茎海綿体にある平滑筋細胞(Smooth muscle cell)という組織が、動脈を常に圧迫して血液の流入を最小限に抑える役目を果たしています。ですから平常時には、手足や他の身体の部分に流れ込む血液の量よりも、ペニスに流れ込む血液の量は少ないのです。
平滑筋はペニスへの血液の流れを「通せんぼう」する役目をし、ペニスの弛緩状態(通常の状態)を維持しています。(この平滑筋細胞はPDE(phosphodiesterase)という酵素の働きで機能しています)これが通常の状態です。
◆では勃起はどうして起るのでしょうか
もうおわかりと思いますが、血液の流入を抑えている平滑筋の働きが弱まると、血液が海綿体に充満し勃起が起るわけです。それではこの平滑筋に弛緩状態を起こして圧迫する力を弱めるのは何でしょうか。
それは脳が性的な刺激を受けた時に分泌する、サイクリックGMPという物質です。このサイクリックGMPが、平滑筋の弛緩を促進します。ですから男性は、性的刺激を受けると勃起するのです。要するに平常時には、平滑筋が勃起を抑える役目を果たしていますが、いざ性的刺激を受けると脳がサイクリックGMPという化学物質を分泌し、平滑筋の働きを弱めるわけです。
そして勃起後は、充満した血液で硬化した海綿体がペニスの静脈を圧迫する為に、ペニス内の血液の流出が妨げられ、勃起状態が持続出来るのです。