健康な65歳以上の女性での骨密度再測定は不要
健康な閉経後高齢女性の骨塩量(BMD)測定は、初回の検査から8年後に再測定を行っても、骨折の予測能力が向上するものではないことが、米医学誌「Archives of Internal Medicine」1月22日号掲載の研究で明らかにされた。
現行のガイドラインでは、女性は65歳になるとBMDの測定が奨励されている。また高齢女性の骨折リスクを評価するために、BMDの再検査をサポートする証拠は少ないが、診療では一般的に行われている。
米国の非営利医療健康ネットワーク、カイザーパーマネントKaiser Permanenteの研究者らは、1989年と1990年に高齢女性(平均72歳)4,124人の股関節のBMDを測定し、平均8年後に再測定した。その間に骨密度は年平均0.59%低下していた。2回目の検査後、骨折を記録するために平均5年間追跡調査が行われ、期間中に非外傷性・非脊椎骨折が877人に(うち275例は股関節骨折)、脊椎骨折が340人に発生した。
研究著者は「2回目の測定結果から、股関節、背骨、全身の非脊椎骨折リスクの上昇は認めなられなかった。言い換えれば、我々の研究対象人口では、最初のBMDのみで十分骨折予測ができた」としている。ただし、急激な骨損失や、早期閉経の若年女性など特定の人では再測定も意味があるとしている。
研究者らは「今回の研究結果は、平均的に健康な65歳以上の女性では、骨折リスクを分類する上で再測定がほとんど役立たないことを示している。初回のBMD測定で骨粗鬆症と診断された女性や、BMD の損失度が高いとされた女性でも同様」と結論づけている。