漢方医学について 〜漢方概念〜
漢方医学は基本的に西洋医学とは異なります。
例えば風邪で発熱した場合、西洋医学では解熱剤を使います。東洋医学では逆に身体を温め、体温を上げる葛根湯や麻黄湯を使います。人間の身体には正常化作用があります。
漢方薬で一時的に熱を上げると、体温調節中枢が働き、自然に発汗し解熱します。但し、どこまで熱を上げるかは患者さん一人一人異なります。その為、風邪の発熱一つ取っても数多くの漢方薬が準備されています。
有名な葛根湯は風邪だけでなく、頭痛、肩こり、蓄膿症、結膜炎、中耳炎、おでき、ジンマシン、下痢などにも汎用されます。
漢方薬は病名では使いません。症状体質を考え、漢方医学独特の診断に基づいて使用されます。
多くの漢方薬には正常化作用があります。
例えば、糖尿病に汎用する六君子湯は、糖尿病の人が服用すると血糖値が下がります。同じ六君子湯を胃腸虚弱の人に使うと、血糖値は下がらず胃腸が強くなります。
また、黄連解毒湯を血圧の高い人に使うと血圧が下がります。同じ黄連解毒湯を肝炎の人に使うと肝機能は改善しますが、血圧は下がりません。
漢方薬は、漢方理論に基づいて使用すると生体正常化作用があります。