漢方医学について 〜燥湿〜
燥湿は水毒との関係が大きいです。しかし、血毒とも関係します。
燥は乾燥した状態。湿は湿った潤の状態のことです。
例えば、年配者の皮膚の乾燥から起こる老人性掻痒症は燥となります。小児のアトピー等では湿が多くなります。
気管支では若年者に多い小青竜湯証の咳は湿、年配者に多い麦門冬湯証の咳は燥となります。
血液も粘っこく血流が悪い時は燥となります。例えば、糖尿病で血糖値が上昇し、糖により血液が濃くなり、血液粘度が上がった時、白虎加人参湯証などは燥となります。
燥湿は陰陽・虚実・寒熱とは別に漢方治療方針を決める重要な要素となります。
発汗をして皮膚がジメジメしているから湿とは限りません。
体表が湿で、発汗する事により体内の水分が減少し体内(裏)は燥に成っている事もあります。
そのため燥湿では、表裏(漢方での局部的診方)の概念が重要となります。