知っておきたい、脳の健康法
少しずつ血管が狭くなる脳血栓は、症状もゆるやかに現れる
「脳血栓」なんてきくと、ある程度年齢のいった人がかかる病気というイメージではないでしょうか? ところが若くても、ミスターチルドレンの桜井和寿のように30代でこの病気にかかる人もいます。
あなたは脳が健康的でいられる生活を送っていると思いますか? 次にあげる項目を見て、心当たりがあればあるほど要注意です。
1 血圧が高い(上が160mmHg以上、下が95mmHg以上)。
2 両親が脳卒中あるいは高血圧。
3 糖尿病がある。
4 アルコールを飲み過ぎる。
5 動物性脂肪や塩分を多く摂るほう。
6 肥満体である。
7 ヘビースモーカーだ。
8 心臓に不整脈がある。
9 運動不足だ。
10 ストレスが多い。
どうですか、いくつ心当たりがありましたか? 脳血栓とは脳の血管がつまり、脳細胞が死滅することでなる病気です。
最悪の場合死亡、そうじゃなくても後遺症が残りやすいため、なによりも予防が大切です。脳梗塞といっても「脳血栓」と「脳塞栓」の2種にわかれます。
脳血栓は脳動脈硬化によって、脳の血管が狭くなったところへ、血栓(血のかたまり)が徐々に附着することで起こります。夜間寝ているときや休息しているときに起こりやすく、初期症状は舌のもつれ、吐き気、手足の軽いマヒなどです。
少しずつ詰まるので、症状の進み方はゆるやかなことが多く、1〜4日かかって出てきます。詰まる場所にもよりますが、脳幹部が詰まれば死を招いたり、植物状態になる危険があります。右脳が詰まった場合、左側の半身マヒになっても話せるし相手の話もわかりますが、左脳が詰まった場合、右側の半身マヒだけでなく、相手の話もわからないし、自分も話すことができなくなります。故・田中角栄総理が、左脳の脳血栓でした。
突然脳血管がふさがる脳栓塞は、症状も急激に現れる
脳塞栓とは、心房細動などの不整脈があると、心房が収縮したり、拡張したりすることで、でたらめな動きをし、心房の中に血のかたまり(血栓)ができてしまうことです。
それが心室へ流れ、全身の血管に移動し、特に左脳の血管をふさぐことが多いのです。初期症状は突然の片マヒ、言語障害、意識不明などです。
脳塞栓は血管が急にふさがれるため、秒、分単位で脳細胞がおかされます。異常を訴えたと思ったら、みるみるうちに意識がなくなったり、ひどい場合死を招きます。その最悪のケースが故・小渕恵三元総理の死です。元巨人軍の長嶋茂雄監督も脳塞栓です。
左脳の血管が詰まったため、左脳梗塞となり、右側の半身マヒ、話せないという失語症です。左手を上げてあいさつしているのは、目で状況を判断していると思われます。
脳血栓にならないためには、なんといっても予防が一番。そのためには冒頭に上げたチェック項目がひとつでも少なくなるような生活を送ることです。