「そうだ 脳ドックにいこう!」
予防はどんな治療にも勝る、という信念から生まれた脳ドック
「脳ドックを知っていますか?
脳ドックとは高度な医療機器を用いて、脳の健康状態を診断することです。
「治療よりも予防」という考え方が浸透してきたのでしょうか、この脳ドックを受ける人が年々増えています。現在全国で6〜7万人が年間脳ドックを受けています。
脳卒中は日本人に一番多い脳の病気で、この病気が起こるとひどい場合は死亡、そうじゃなくても片マヒ、失語症といった、後遺症が残ることが多いのです。しかし脳卒中は予防できる可能が高いのです。予防はどんな治療よりも勝るということで、日本独自の脳ドックが行われるようになりました。
隠れ脳梗塞といわれる「無症候性脳梗塞」は、梗塞そのものが小さかったり、できた場所が脳の働きに大きな影響をあたえる部分ではなかったために、自覚症状がないのです。しかし梗塞ができているということは、他の場所でも動脈硬化が進んでいることが予想されますし、じっさい脳卒中が発生する率は、何もない人の5倍にもなります。
症状がないうちの梗塞なら再発はアスピリンや小児用バファリンを服用することで防げますし、食事を中心とする日常生活の改善でも梗塞が増えることを予防することができます。
脳ドックでみつかるのは症状のない脳梗塞だけではありません。脳動脈瘤、脳動静脈奇形、脳腫瘍などもみつかります。脳動脈瘤、脳動静脈奇形はくも膜下出血の原因となりやすいのですが、経過観察でいいのか、すぐに手術が必要なのかという判断も脳ドックでできます。脳腫瘍も非常に小さな時期に発見できますから、治療法も放射線療法か、または手術しなければいけないのか判断ができます。
脳の疾患と機能の両方を検査する脳ドック機関を選ぼう
最近は脳ドックを受けられる病院が増えました。しかし、気をつけてほしいのは、ただ単に、MRIやMRAで脳の断層や血管の映像から、脳の気質的疾患を検査するだけではなく、脳の機能を調べる、高次脳機能検査も併せて行ってくれる病院を選ぶということです。脳の気質的疾患とは脳の病気のことです。これはどの病院でも脳ドックで検査しますが、高次脳機能検査で、特に前頭葉の機能を検査することで、痴呆症の予防もできるのです。
40歳になったら、人間ドックだけでなく脳ドックも併せて受けましょう。脳ドックは料金が高いと思われるようですが、最近は脳ドックの助成金を出す企業も増えてきています。助成金の有無、対象年齢、助成金額などは企業によって異なりますので、脳ドックを受ける前に調べてみることをお勧めします。