多くの人が減量サプリメントの誇大広告に惑わされている
多くの米国成人が、減量サプリメント(栄養補助食品)を安全で効果的だと考えていることが、米コネチカット大学調査研究・分析センター(CSRA)の調査結果で明らかになり、先ごろボストンで開かれた米国肥満学会年次集会で発表された。
多大な減量努力経験を持つ1,444人を対象に、電話調査を行った結果、減量サプリメントは安全性が検証済みだと誤解している人が65%、効果が検証済みだと思っている人が63%いることが明らかになった。また、54%の人が、サプリメントは米食品医薬品局(FDA)で認可されていると誤解していた。
北米肥満研究協会(NAASO)代表のThomas Wadden氏によると、「減量医薬品のFDA認可は、何千人もの患者で何年間も安全性と効果をテストして受けられるもので、サプリメントでは行われていない」という。
同年次集会で発表された調査(減量薬orlistatの製造メーカー、グラクソ・スミスクライン社が資金提供)結果の主な内容は、
・減量努力をした米国人の34%はサプリメント使用経験があり、これは処方薬使用者の2倍に当たる
・87%にプライマリケア医がおり、92%が年1回以上医師の診察を受けているにもかかわらず、医師に減量の相談をしたのはわずか30%であった
-というもの。
米ピッツバーグ大学(ペンシルバニア州)心理学教授のSaul Shiffman氏は「多くの人が医師の助けや処方薬を用いずに減量しようとしているが、成功の可能性を最大限にするには、肥満者は効果が証明された製品を知り、効果のある製品と用法を用い、減量努力の実効性を上げ、健康を促進する必要がある」という。
また、同年次集会で肥満研究の指導者らは、白書「call-to-action(行動への呼びかけ)」において、減量用サプリメントの誇大広告に対処する国家施策を発表した。米連邦取引委員会広告部会のRichard Cleland氏は「法整備だけでは、減量サプリメントに対する誇大広告には十分に対応できない。消費者が知識を得て対抗する必要がある」と述べている。