双生児姉妹は早期閉経リスクが高い
双子の姉妹は、単胎で生まれた女性より早期の閉経リスクが3倍高いことが、米医学誌「Human Reproduction」オンライン版10月25日掲載の研究で明らかにされた。ただし、双生児姉妹の95%は正常期に閉経しており、警告を要するものではないとしている。40歳前の閉経につながる早発卵巣機能不全(POF)は、一般成人女性の約1%が罹患する。POFは不妊だけでなく、心血管疾患や骨粗鬆(しょう)症リスクも上昇させる。閉経の平均年齢は50〜52歳。
米Weill Cornell Medical College(ニューヨーク市)生殖生物学部長のRoger Gosden氏は、オーストラリア双生児登録の428組、英双生児登録の404組と、対照群のオランダ人女性3,483人を比較調査した。その結果、40〜45歳女性におけるPOF率は、2つの登録群の双生児で同じであり、一般人口集団の3〜5倍だった。二卵性、一卵性双生児とも同じの結果だったが、双生児間で閉経期に20年の差がある事例もあった。
こうした差が出る理由は明白ではないが、Gosden氏は「この問題は、卵子の形成が始まる胎児期にあると考えられる。不妊になる人は、正常な数の卵子を形成できず、早期に使い尽くしてしまうのだろう。卵巣は砂時計のように決められた数の卵子で機能し、数が尽きると閉経する」と説明する。
Gosden氏はこれらの症例に対する治療法として、双子姉妹間の卵子や卵巣組織の移植を5人で実施。移植は全て成功しており、3人が妊娠や出産を終えている。米レノックスヒル病院(ニューヨーク市)産婦人科医のJennifer Wu博士は「今回の研究から学ぶべき重要な点は、姉妹の早期閉経を解消するためにもう一方が卵子や卵巣組織のドナー(提供者)になれることである。早期閉経は以前ほど怖いものではなくなった」と述べている。