性器脱に経膣分娩時の筋肉損傷が関連
経膣分娩による筋肉損傷が、後に性器脱と呼ばれる重篤な婦人科疾患に関連することが、米ミシガン大学ヘルスシステムの研究グループによって報告され、医学誌「Obstetrics & Gynecology」2月号に掲載された。
米国では、年間20万人以上の女性が性器脱(膀胱、子宮、膣、腸下部の脱出)により、矯正手術を受けている。
今回の研究は、性器脱のある女性151人と、そうでない女性135人とを比較したもの。肛門挙筋(膀胱および子宮を支える筋肉)に大きな損傷が認められたのは、性器脱のある女性では55%だったのに対して、性器脱のない女性では16%であった。また、分娩時の鉗子の使用によって性器脱の比率が高くなることもわかった。
報告を行った同大学医学部産科婦人科教授のJohn O.L. DeLancey博士は、性器脱やそれに伴う尿失禁などの問題の原因を探求する上で、この知見は大きな前進だと述べている。次のステップは、肛門挙筋の損傷の予防法と治療法に着目し、性器脱の発生率を減少させることだという。