睡眠不足の子供では肥満リスクがより高まる
寝不足の子供は肥満しやすいことが、英ブリストル大学のShahrad Taheri博士らによって明らかにされた。同博士は、睡眠不足は正常な代謝を妨害し、肥満、インスリン抵抗性、糖尿病、心血管系疾患に寄与する可能性があるとしている。同研究は、米医学誌「Archives of Disease in Childhood」11月号に掲載された。
Taheri博士は、肥満はエネルギー摂取量(カロリー)と消費量(身体活動)の不均衡で発生するという。睡眠不足は代謝ホルモンを変化させることで食事摂取量を増加させ、食品選択を誤らせること、また、睡眠不足による疲労が運動不足を引き起こす可能性があるという。
今回の研究では、エネルギー貯蔵量低下時に脂肪細胞によって生成されるホルモンのレプチンが、毎晩8時間就寝する人より5時間の人で約15%低く、空腹のシグナルとして胃から分泌されるホルモンのグレリンが8時間睡眠の人より5時間の人で約15%多いことも明らかになった。
Taheri博士は、英国の小児1万3,000人を対象とした研究(The Avon Longitudinal Study of Parents and Children)では、長時間のテレビ視聴と睡眠不足の関係が明らかにされており、睡眠不足と屋外で過ごす時間や活動時間の短さには関連性があるという。そして、コンピューター、携帯電話、テレビ、その他の電子機器が入手しやすくなるにつれ、子供の睡眠時間がさらに削られるようになることを憂慮している。