新しい男性避妊法へ高まる期待
精管切断術に替わる、可逆的な男性避妊法の臨床試験の規模が拡大されるという。この避妊法が、予想以上に関心を集めていることを受けての決定である。
英タイムズ紙(The Times)によると、IVD(Intra Vas Device)法と呼ばれるこの避妊法は、シリコンゲルの小さな栓で精巣から陰茎(ペニス)に通じる管(精管)をふさぐもの。IVDの挿入は、陰嚢に開けた小さな穴を通して行う。
男性30人を対象とした予備研究では、IVDによる避妊効果が認められている。サルを用いた研究では、この方法が可逆的なものであることが示されているが、ヒトでも可逆性があるかどうかについては、さらに研究を重ねる必要があるという。
開発元であるShepherd Medical Company社(カナダ、バンクーバー)は、近くIVDの臨床試験を開始する予定。当初は米セントポール(ミネソタ州)の男性ボランティアを対象に実施の予定だったが、高い関心が集まっていることから試験規模の拡大が決定されたとタイムズ紙は報じている。男性ボランティアは、このIVDを挿入後2年間試用する。