体重管理には長期にわたり警戒感を保つことが重要
減量後の体重を維持したいならば、毎日体重を測定し、2kg以上のリバウンドに備えて「行動計画(アクションプラン)」を立てることが勧められている。米医学誌「New England Journal of Medicine」10月12日号掲載の研究によると、行動計画に基づく成果は生涯の減量に結びつくとしている。
米ブラウン大学医学部(ロードアイランド州)精神医学教授のRena R. Wing氏らは、過去2年間で体重の最低10%以上を減量した男女314人を対象に研究を行った。被験者の平均減量は、以前の体重の20%で、約19kg。減量方法は、組織的プログラム参加や自己流などさまざまだが、外科的手法を受けた人はいなかった。
被験者は3群に割り付けられ、「対照群」は、食事や運動習慣について書かれたニュースレターを年4回受け取り、「対面式対応群」は、定期的な体重測定に加えて専門家による助言やカウンセリングを直接受け、「インターネット対応群」は同様の対応をインターネットで受けた。研究期間の18カ月後、約2.3kg以上体重が増加したのは、対照群で72%、インターネット群で55%、対面対応群では46%だった。
Wing氏は、対面式対応群の成功には、毎日の体重測定だけではなく、体重報告の義務や、行動計画の必要性が関与しているという。また、「体重が落ちるときには、さまざまな強化材料がある。洋服が似合うようになり、体重計の数字は下がり、周りの人が声をかける。維持期に入るとこうした材料があまりない」と述べている。
米タフツ大学ニューイングランド医療センター(ボストン)医学助教授のMichael Dansinger博士は、今回の研究を「非常に役立つ内容であり、リバウンドについての優れた考察と最小限に抑える方法を示している」と賞賛しながらも、研究参加者は体重の20%を減らしたが、通常は4.5kg、あるいは5%程度の減量が一般的であり、被験者が一般人口の典型ではない可能性がある点を指摘している。