薬指の長い女性は運動能力が高い
手の薬指の長さが人差し指よりも長い女性はスポーツに優れているという説が、英ロンドン大学キングズ・カレッジ遺伝疫学教授Tim Spector博士らの研究で示され、スポーツ医学誌「British Journal of Sports Medicine」オンライン版に9月28日掲載された。
過去の研究から、男性では指の長さの比率と生殖能力、知能、性的指向、運動能力などの特徴との間に関連がみられることがわかっている。女性でも同じような結果を示す研究がいくつかあったが、数が少なく、説得力のあるものではなかった。
Spector氏は、関節炎の遺伝に関する研究のため、指のX線写真を撮影した双子の被験者の記録を保持していたことから、この記録を利用して、今回の仮説を検証した。指の長さを測定した後、一卵性双生児と二卵性双生児との比較を行い、さらに被験者に12種目のスポーツについての実績を尋ねた。この結果、特にランニング、サッカーおよびテニスで、薬指の長さが長い女性ほど高い実績を収めていることが明らかになったという。
また、一卵性双生児で指の長さが類似していたことから、指の長さは主に遺伝によるものと考えられ、環境による影響は極めて小さいことも示された。これは、指の長さのパターンは胎内でのテストステロン濃度が原因とするこれまでの仮説に反する。
このような結果が出た理由については不明だが、今回のデータから「体のある部分に注目することでほかの部分のことがわかる」という例がほかにも多数存在する可能性が考えられるとSpector氏は指摘。手の指に限らず、耳たぶ、足の指の長さ、X脚、O脚などの特徴が個性や競争力に影響を及ぼす何らかのものについて示している可能性もあると述べている。