ダイエットを捨て “食事プラン” を考える
ダイエットという言葉は、非常に行き渡っており、特に女性では小学高学年の女子児童でも知っている。しかし、栄養学の専門家たちは、このような少女たちを含め、カウンセリングを受けるすべての人が「ダイエット」という用語を破棄することを望んでいる。多くの人は、ダイエットは「始まりがあり、そして終わりがあるもの」と理解しがちだが、米St. Catherine大学(ミネソタ州)栄養・食物学教授のMiller Jones氏は、「ダイエット」に変えて、生涯を通じてかかわりをもつことを意味する”食事プラン(eating plan)”という言葉を用いることを提案している。
過体重の人が、こうした新しい考えに頭をうまく切り替えなければ、減量に失敗することは必至である。厳しいカロリー制限など一定のダイエットがうまくいかないと、次にダイエットを行った際に、減量はより難しくなる。米国では20歳以上の成人の64%が過体重か肥満であり、6-19歳の小児、ティーンでは15%を占める。しかしながら、特に青年期(思春期)におけるダイエットは逆効果を招く結果になると、専門家は指摘する。
米カリフォルニア大学バークレー校体重・健康センターのJoanne Ikeda氏は、米医学誌「Journal of the American Dietetic Association」に2004年に掲載された研究で、肥満女性149人を対象に、ダイエット経験の有無、経験のある女性ではその時期や回数について質問を行い、BMI(肥満指数)が高いほど、早い時期(13歳以前)にダイエットを開始していたことを明らかにしている。またスカンジナビアでのより大規模な研究では、体重の増減の繰り返しは、増量のリスクを高めることが示されている。
Ikeda氏は「ヨーヨーダイエット」と呼ばれる、体重増減の繰り返しは、間違いなく危険だと指摘。「増減パターンを3回以上繰り返した人は、減量ではなく、メタボリック(代謝)フィットネスの改善に目を向けるべきだ」という。成人として十分なカロリー摂取をしながら健康的な生活を送るというもので、「十分な」カロリーとは、体重や日常の活動レベルにより異なるが、一般的には1日約2,000キロカロリーである。
Miller Jones氏は、健康的な生活による減量は、時間をかけて行うように勧める。厳しいカロリー制限の代わりに、1日100キロカロリー減らすことにより、1カ月に約450g(1ポンド)減量するとしている。
Ikeda氏は、特に10代の若者はダイエットをすべきではなく、運動、炭酸飲料を減らして水を多く摂取する、ファーストフードを減らす、テレビの視聴時間を減らす、低脂肪や無脂肪の牛乳を摂取することなどにより、より健全な体重の達成を目標とすることを勧める。健康的な体重を得る唯一の方法は、健康的な生活を送ることである。