新鮮な果物や野菜がアレルギーの引き金に
夏から秋にかけて、新鮮な果物や野菜を食べた後に口にかゆみを感じる人は、口腔アレルギー症候群(OAS)の可能性がある。OASは「花粉・食品症候群」とも呼ばれ、8月中旬に咲き始めるブタクサなどがアレルゲンとなり引き起こされる。
米国アレルギー・喘息・免疫学会(AAAAI)食品有害反応委員会のSuzanne S. Teuber博士は「ブタクサが放出する花粉は空中アレルゲンで、この時期のアレルギー症状のほとんどに関与している。ブタクサアレルギーは、くしゃみやかゆみ、涙目、その他OASの症状に加えて、患者の生活の質(QOL)を著しく損なう」と述べる。
OASの症状は、対象となる花粉蛋白(たんぱく)質を直接ターゲットにするアレルギー抗体と、植物のほかの部分にある同様の蛋白質に対するアレルギー抗体との「交差反応性(反作用)反応」の結果現れる。OASの一般的な症状は、新鮮な果物や野菜の摂取直後に発生する、軽度の腫れを伴う口やのどのかゆみなど。
ブタクサアレルギーの人が、バナナ、キュウリ、メロン、ズッキーニ、ヒマワリの種、カモミールティーやエキナシア(薬草)を摂取するとOASの症状が発現する可能性がある。また、樺(カンバ)の木にアレルギーがある人が、モモ、リンゴ、サクランボ、ニンジン、ヘーゼルナッツ、キウイ、アーモンドを摂取すると症状が現れることもある。
調理により、通常、OASは避けることができる、とAAAAIは述べている。