10代を対象とした新コレステロールガイドライン
10代のコレステロール値で、成人後の心疾患の高リスク者を特定するよりよい手法を考案したことを、カナダの研究者らが米医学誌「Circulation」オンライン版8月28日(出版は9月5日号)に報告した。
クイーンズ大学(オンタリオ州)運動学・疫学教授のIan Janssen氏は、米国で1992年に策定された現行のガイドラインは、将来における心疾患高リスクの若年者を抽出するには限界があると指摘、「現行ガイドラインとの根本的な違いは、リスク判定時にティーンの年齢と性別を考慮に入れた点である」と述べている。
同氏らは、1988〜2002年に実施された全米健康・栄養試験調査で収集された、12〜20歳の約6,000人以上のデータを活用し、総コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、トリグリセリド(中性脂肪)各値の年齢および性差に特異的な成長曲線を作成した。これらの曲線は、年少・年長期の身長および体重をモニター・評価する際に用いる曲線と同様なもの。
その結果、コレステロール曲線は、心血管リスクを予測する成人のコレステロールや脂肪値と関連付けられ、今回作成した曲線で、ティーンの将来の心疾患リスクを予測できることが示された。
「新しいガイドラインの大きな長所は、年齢によって生じる急激なコレステロールおよび脂肪値の変動を考慮している点で、2歳から20歳の間に成熟とともにコレステロール値は著しく変動する」とJanssen氏は述べている。また男女間に曲線の違いが認められることから、性差も考慮する必要のあることも指摘している。