タバコをやめたい、やめられない! あなたに
禁煙治療費の自己負担がぐっと軽減
タバコをやめたい……喫煙者の中には、そう思っている人も少なくありません。タバコは肺ガンや虚血性心臓病、脳血管障害などのリスクを高め、健康面でのデメリットは多大です。この7月からタバコの価格が値上げになったこともあり、「今こそやめ時!」と思っている人も多いかもしれません。
その決断を、後押ししてくれるようなニュースをお伝えしましょう。
この4月、健康保険医療報酬が改定になり、公的な医療機関で禁煙指導が行われるようになりました。そしてその禁煙治療の費用が、健康保険の適用とされることになったのです。これまで禁煙外来を訪れる人は、高い治療費に二の足を踏みがちでした。 健康保険の適用になると、自己負担がぐっと減少します。そこで次に、保険適用が受けられる条件についてお話ししましょう。
禁煙指導の保険適用の条件
禁煙指導を健康保険で受ける患者は、次の4つの条件を全て満たしていないといけません。
1. ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)でニコチン依存症と診断された人
2. 1日の喫煙本数×喫煙年数(ブリンクマン指数)が200以上の人(例:1日20本×喫煙年数10年=200)
3. ただちに禁煙することを希望する人
4. 「禁煙治療のための標準手順書」にのっとった禁煙治療プログラムについて説明を受け、そのプログラムへの参加を文書で同意した人
上の条件を満たすと、患者には保険適用となった禁煙治療プログラムが行われます。このプログラムでは、12週のうちに計5回通院し、禁煙が達成できるように開始にあたっての指導から、禁煙によるイライラ感の相談、治療薬の使い方、継続にあたっての問題点などカウンセリングを中心とした医師の指導が順を追って行われます。
禁煙治療の費用は、初診料、再診料などの他に、「ニコチン依存症管理料」を支払い、従来ならその金額は9,620円でした。今回、適用された健康保険では、患者が69歳までで3割負担の場合、2,886円となります。
禁煙指導はこれまで自由診療で行われてきたため、医療機関によって指導料が異なり、3〜4万円請求されることも一般的でした。これからは、ずっと気軽に、禁煙に取り組むことができるようになりますね。
ニコチンパッチも保険を適用
禁煙治療プログラムのもと、ニコチンパッチが必要と判断された患者は医師によって処方されます。
さらに朗報といえるのは、この禁煙治療プログラムに使われるニコチンパッチも、この6月から健康保険の適用になったということ。
ニコチンパッチはニコチンを含んだパッチ(シール)を皮膚に貼り、ニコチンを体内に取り込む禁煙補助薬。
これを使うと禁煙成功率が約2倍になるといわれています。
従来は8週間分で2万〜3万円かかるという高額なものでした。これからは、治療期間中に使われるパッチの自己負担額も原則3割となります。
「やめたいけど、やめられない」……禁煙をめぐる心のストレスは決して小さくありません。これからは、負担もより少なく、気軽に医療機関に相談できるようになります。やめたいあなたは、ぜひこのチャンスを利用したいものですね。