残暑の夏バテ対策に、抗酸化食材のすすめ
夏バテは、体内に活性酸素が増えているサイン! 活性酸素から身を守るため、「抗酸化食材」をとって元気に残暑を乗り切りたいもの。「抗酸化食材」選びのポイントをご紹介します。
■夏バテは万病のもと。体の活力をとりもどすには「抗酸化食材」が有効です
蒸し暑い日本の夏。思考力が低下する、疲れがなかなか抜けない、食欲がない、などの症状が思い当たったら、夏バテかもしれません。
夏バテは、大量に汗をかくことで体の調子を整えるミネラルが不足すること、麺(めん)類や甘いものなど糖質に偏ったこの時期特有の栄養バランスの偏り、寝苦しさによる睡眠不足や冷房による体温調節機能の低下などによって起こります。それに加えて注意したいのが、強い紫外線。紫外線は、肌の表面だけでなく体の中にも侵入し、老化の原因となる活性酸素を増やします。活性酸素は細胞や組織をさびつかせて、全身の機能低下を引き起こします。このため、夏バテはますます悪化。体内に増加した活性酸素が血液をドロドロにすると、動脈硬化や心筋こうそく、脳卒中などによる突然死のリスクもアップ……。つまり、この季節の夏バテの症状は、さまざまな病気の出発点になる可能性があるのです。
■「和の食材」「色の濃い食材」には抗酸化パワーが強い
夏バテかな? と思ったら、すぐ始めたいのが「抗酸化物質」をたっぷりとることです。抗酸化物質とは、活性酸素に優先的に結びついてその害を消去する物質のこと。代表的なのが、赤ワインで話題になったポリフェノールです。
実は、私たちが古くから日常的に食べてきた「和の食材」には、抗酸化物質が豊富に含まれています。緑茶のカテキン、豆腐、納豆などに含まれるイソフラボン、みそのメラノイジン、そばのルチンなど。和の食材を意識的にとることで、活性酸素への守りを固めることができるのです。
さらに意識してとりたいのが、「色の濃い食材」。ニンジン、ホウレン草、トマト、ピーマンなどには色素成分のカロテノイドやビタミンC、Eなどの抗酸化物質が豊富。熱帯地方の熱帯魚やサンゴの色が鮮やかなのは、大量の紫外線から身を守るためといわれます。
薬味やスパイスで、体の内側から抗酸化力を高めよう
●和食を心がけよう
ごはんを中心とした低脂肪の和食をベースにすると、体の「さび」のもととなる悪玉コレステロールの発生を抑えるうえ、抗酸化物質を無理なくとることができます。みそ汁には旬の夏野菜をたっぷりと加え、抗酸化力の高い納豆や豆腐も添えて。食後に濃いめに入れた緑茶を飲めば、活性酸素への備えは万全です。
●夏こそ薬味をたっぷりと
ネギやシソなどの薬味食材にも、抗酸化物質が含まれています。ぴりっとした辛みと食欲をそそる香りのある薬味なら、夏バテをしていてもおいしくいただけそうですね。冷ややっこやみそ汁にも薬味をたっぷりと。ソバにつきもののワサビは、もともと体に備わっている抗酸化酵素の力を高める働きがあります。
●スパイスたっぷりのカレーもおすすめ
カレー粉に入っている黄色い色素のクルクミンやコショウにも強い抗酸化力があります。辛さの刺激で発汗することにより内側にこもった熱を発散させ、食欲もアップさせるなど、スパイシーなカレーは夏バテ対策にうってつけです。