子供と親で異なる目線
10代の子供の行動に対して、怒鳴る、語りかける、罰を与えるなどの対処法は、その方法が状況にふさわしくないと子供が感じた場合には功を奏さないことが、米ブリガムヤング大学(ユタ州)の研究者らによって明らかにされた。
10代の若者122人を対象に実施した今回の研究では、仮の状況を設定し、自分の行動に対する親の反応を子供がどのように感じるかを調査した。それによると、対処法そのものは若者にとって重要ではなく、対応がその状況に適しているか否かを重視することが明らかになった。また、子供と親とでは状況のとらえ方が著しく異なることも明らかにされた。
米誌「Social Development」8月号に掲載された今回の研究の著者で、同大結婚・家族・人間発達学科助教授のLaura Padilla-Walker氏は「子供は、自分に対する親の対応が不適切と感じれば、それに伴う負の感情が、親の行動を理解したり受け入れたりする能力を曇らせる可能性がある」と述べている。
親も子供も、うそや盗みなど倫理上の問題では考え方は一致するが、テーブルマナーや門限など、社会的行動の分野では隔たりがあるようだ。若者は社会行動についての親の反応は過剰だと感じている。
研究著者らは「正直であることに関する社会的規範は明確であり、うそをついてしかられることは、門限を破ってしかられることより納得できる。門限は、それぞれで決められる分野であり、家庭によって大きく異なるからだ」と述べている。