肥満を便秘のせいにしていませんか?
便秘=肥満という誤った認識にご用心
週刊誌などのダイエット情報で「便秘=肥満」というような記事がよく目に付きます。その影響か、ダイエット目的で下剤を飲む人が少なくありません。しかし、下剤の濫用による健康被害も多発しているのも事実。下剤をダイエット対策のひとつとして利用するのは危険と考えた方がよいでしょう。
確かに便が出ると一時的に体重が減ります。けれども、それは「便」が出ただけで「脂肪」が出たわけではありません。ダイエットで大切なことは、見かけの体重に振り回されず、体脂肪を減らすこと。そのためには体脂肪とは何かを理解する必要があります。
健康な身体の維持に必要な「体脂肪」
体脂肪は便のような老廃物ではなく、いわばエネルギーの貯蔵庫。体脂肪1kgには約7000kcalものエネルギーが蓄えられています。山で遭難して食べ物がなくなっても何日か生き残ることができるのは、この体脂肪のおかげです。
長い歴史の中で飢餓と闘ってきた人間の身体は、万一のときに備えて、エネルギーを脂肪という形で体内に備蓄する仕組みを身につけたのです。だから体脂肪は健康な身体の維持には必要不可欠なもの。しかし、過剰にたまると生活習慣病や肥満を招くので、バランスよく蓄えることがダイエットの秘訣といえるでしょう。
「肥満」と「便秘」に効果的な対策
肥満と便秘はまったく別の現象ですが、その対策には共通点が多いのも事実。肥満と便秘、どちらにも効果的な対策は以下の3つが挙げられます。
1)朝食を必ずとる。
2)野菜、海草、きのこを毎食たっぷりとる。
3)しっかり身体を動かす。
きちんと朝食をとっている人は、朝食抜きの人より平均して体脂肪が少ないというデータがあります。
朝食をとることで身体は目を覚まし、エネルギーを活発に消費するので、体脂肪がたまりにくくなるのです。さらに朝食によって腸が動きだし、排便の作用も強まるので、便秘の予防にも不可欠です。
大切な「朝食」の簡単レシピ
朝食はとりたいけど忙しくて…という方のためにおすすめなのが「お雑炊」。手軽につくれて、野菜もたっぷりとることができます。
野菜ときのこのお雑炊
白菜やしめじなど冷蔵庫にある野菜をたっぷりと出汁で煮て、小ぶりのお茶碗一杯のご飯を入れ、卵でとじるだけ。
「五目煮豆」や「浅漬けのお漬け物」を付け合わせにするとバランスがとれた立派なダイエットメニューに。「五目煮豆」や「浅漬けのお漬け物」は作り置きのお総菜を買ってきてもOKです。食物繊維たっぷりで、便秘にも効果的です。