食中毒って、なぜ夏に多いの?正しく知って対処しよう!
夏になると多くなるニュースに食中毒があります。あなたは、自分はだいじょうぶだとたかをくくっていませんか。家族やまわりの人が腹痛を訴えたとき「食あたりじゃないの?」と軽く考えていませんか。
食あたりだけが食中毒ではない
どんなに科学が進んでも、高い衛生環境にあっても、なくならないのが食中毒です。食中毒にかからない生活方法を知ることで、切り抜けられることだって多くあります。そのためにも、まず、食中毒について正しく知ることから始めましょう。
食中毒を一言でいうと、文字通り食べ物が原因となっておこる健康障害ということになりますが、重症になると、命を落とすことさえあります。通常、症状としては、腹痛や嘔吐、下痢などにあらわれる急性胃腸炎がイメージされますが、そればかりではありません。ボツリヌス菌のように、消化器症状には現れず、神経麻痺をおもな症状とする菌もあるので注意が必要です。
食中毒の3大原因
食中毒には感染型と毒素型がありますが、その媒介となる原因は、大きく3つに分けられます。
(1)細菌性食中毒……………微生物が食品に混入しておこる
(2)自然毒による食中毒……フグやキノコなど、動物性や植物性の自然毒
(3)化学物質による食中毒…メタノール、ヒ素、シアン化合物
発生件数でみると、食中毒のほとんどが、(1)の微生物を原因とするタイプになります。
その中で感染型には、魚介類を感染源とする腸炎ビブリオ、家畜などの腸管にいるサルモネラ、人の腸にも住み着く病原性大腸菌などがあります。毒素型には、人間の喉や鼻腔、傷口に常在するブドウ球菌、保存食品が媒介するボツリヌス菌などがあります。
時期的には梅雨時から増えはじめ、8月にピークとなります。夏の日の心構えを十分にもっておきましょう。
食中毒のおもな症状
食中毒をおこしたら、「あの食べ物に違いない」と決め付けるのはやめましょう。まずは確かな原因菌をつきとめ、正しく診断できるように、医師の判断を仰ぐようにしましょう。 原因となった食べ物を取り違えると、医師も症状から正しい判断をすることが難しくなります。
食中毒は、おもに腹痛、悪心、嘔吐、下痢、発熱、脱力感など、その多くが消化器官の症状を中心に表れます。老人や子供は脱水症状もおこしやすくなります。ここでは夏に多くみられる細菌性食中毒の症状について解説しましょう。
感染型の場合、発生するまでに食後数時間から1〜2日するものまで時差はありますが、軽い場合はご家庭の看護でも十分回復します。高熱、ショック症状、激しい下痢や血便など重篤な様子があれば、迷わず、すぐに病院に行ってください。
毒素系の場合、ブドウ球菌は食後数時間で症状が現れます。共通の食べ物を食べた複数の人に同様の症状がみられたら可能性が高いでしょう。ボツリヌス菌の場合は、下痢・腹痛が軽くても、ものが二重に見えたり、まぶたが重いなどの視神経に来たり、発語困難、呼吸困難などがおこります。急いで病院に行きましょう。
私たちの生活空間には、無数の食中毒菌が潜伏しています。高温になるとどんどん増えてくる厄介者です。夏休みを快適に過ごすためにも、厄介者は寄せ付けたくありませんが、万一寄せ付けてしまっても正しい対応がとれるようになりましょう。