無症状のまま蔓(まん)延する性器ヘルペス
性器ヘルペスは、性感染するウイルスが原因の疾患で、多くの場合、性器や肛門またはその周辺に水疱(すいほう)が生じる。この水疱が破れると、痛みを伴うびらんとなり治癒には数週間を要する。時間がたつにつれ水疱の発生が軽度になり、期間も短くなる。
自分が性器ヘルペスに感染していることに気付かない人も多い。米疾病管理予防センター(CDC)によると、母親がヘルペスウイルスに感染していると、新生児に重大な感染症をもたらすこともある。
性器ヘルペスは治療法がなく、無症状の感染者から性交渉の相手へ伝播(でんぱ)していく。しかし、薬剤を用いてヘルペスの発症を抑えることもできる。コンドームを使用すれば感染リスクが減少するが、コンドームで保護されていない部位にびらんがあれば、やはり感染する可能性がある。最もよい予防法は、感染している可能性のある相手との性行為を控えることだとCDCは述べている。