夏バテを防ぐ水分補給
「冷たい水を飲みすぎると夏バテする」なんて聞いたことありませんか? 暑くて食欲のないときは、冷たくて甘い飲み物を飲むと、おいしくかんじますよね。だけど、飲み方を間違うと夏バテの原因にもなるのです。
いよいよ夏本番、効果的な水分補給の方法を覚えて、夏バテしない身体作りをめざしましょう。
1日身体を出入りする水の量
私たちの身体は、およそ3分の2が水分で構成されています。では、私たちの身体を1日どのくらいの水分が出入りしているか知っていますか?
人間の身体は、安静にしていても1日に約2600mlもの水分が失われ、その分飲料水や食事で水分を補給しています。暑い夏、身体は体内にこもった熱を逃がし体温を調節するため、たくさんの汗をかきます。たくさん汗をかいた身体には、いつも以上に水分を補給することが必要なのです。
しかし、水分をとればなんでもいいというわけではありません。冷たい飲み物や甘い飲み物を多くとるのは、夏バテの原因になってしまうので、要注意です。冷たい飲み物のとりすぎは、暑さで弱った胃腸に負担をかけ食欲不振に陥ってしまいがちですし、甘いジュースは糖分によって空腹を感じなくなり、食事による必要な栄養を摂取しなくなってしまいがちだからです。
夏の水分補給のポイントはここ!
水分不足にならないためには、意識的に水を飲む習慣をつけておくのがおすすめです。1日およそ1.8〜2.0リットルを目標にしましょう。とくに起床時・就寝前・入浴後は水分が不足しているので、水分補給するよう心がけましょう。
夏バテをしない身体作りのためには、水分補給の量やタイミングも大切です。
・のどの渇きにさからわない
人間の身体は、安静にしていても1日に約2600mlの水分が失われます。ですから、のどが渇いたとかんじるのは、すでに「身体に水分が不足していますよ」というサインが脳からでているのです。のどが渇いたと感じたら、がまんせず、すぐに十分な水分を補給しましょう。
・温かい飲み物を上手に取り入れよう
冷房の効いた涼しい部屋で長い時間過ごす人は、身体の冷やしすぎに注意が必要です。室内にいるときは、温かいお茶などで水分補給するとよいでしょう。
・甘い物を飲み過ぎない
糖分の多い甘い飲み物は、空腹を感じなくさせます。糖は疲労回復に効果がありますが、飲み過ぎは食欲不振におちいってしまい、夏バテを招きかねません。甘い飲み物のとりすぎには気をつけましょう。
・食欲不振のときも水分だけは補給する
夏バテして食欲不振になってしまっても、脱水症状をさけるために、水分だけは必ずとるようこころがけましょう。もちろん、1日に必要な栄養は、なるべく食事から摂取するようにしましょう。
スポーツ中の水分補給のポイント
10数年前までは、スポーツをしている最中には水分を摂らないというのが常識とされていましたが、最近では積極的に水分を摂ることがすすめられています。
暑い日に激しい運動をすると、体温はさらに上昇し、1〜2時間で3〜5リットルもの汗が出ることがあります。大量の水分を失った身体には素早く水分補給を行わないと、生体機能に変調をきたしてしまいます。体温上昇に発汗が追いつかず体温がどんどん上昇し、頭痛やめまい、さらには意識を失って死に至ることさえあります。これを防ぐためには、こまめな水分補給をするほかありません。
ただし、大量に水だけ飲むと血液の塩分が薄れてしまい、疲れを感じやすくなってしまいます。汗の成分には塩分も含まれているため、水分補給の際には塩分も一緒にとったほうが良いのです。その点において最も手軽なのがスポーツ飲料水です。スポーツ飲料水は炭水化物(糖質)や体液に近い塩分も含んでいるため、疲労した身体を回復させ、素早く水分を体内に補給してくれます。
手作りスポーツドリンク
たくさん汗をかいた後の水分補給はことさらおいしいもの。素早く体内に水分を吸収することのできるスポーツドリンクを手作りしてみませんか。
◆マイレモンウォーター(軽い運動用)
ミネラルウォーター2分の1カップに、すりおろしたにんじんとりんごを50gずつ加え、レモン1個をしぼり、塩少々とはちみつを小さじ2杯をいれ、味を調えるとできあがりです。
:さっぱり飲みやすい味で、レモンのクエン酸とビタミンCで疲労回復効果があります。
◆ベジフルーツジュース(比較的強い運動用)
ミネラルウォーター2分の1カップに、すりおろしたにんじんとりんごを50gずつ加え、さらにオレンジ50gをしぼり、塩少々とはちみつ大さじ1杯をいれ、味を調えるとできあがりです。
:ハードな運動では疲労も激しくなります。疲労を抑えるには糖質が必要なので、フルーツがたっぷり入っています。
以上のポイントを覚えておいて、身体においしく健康的な水分補給をこころがけ、夏バテをしっかり防いでいきましょう。