お風呂で心身リラックス(入浴編)
ゆっくりお風呂に入ると、心身ともに落ち着いてよく眠れますね。でも暑い夏に、熱い湯船に入るのは億劫なもの。つい、朝も晩もシャワーで汗を流しておしまいという人も多いのでは? 朝の寝ぼけた身体や頭を起こすために、シャワーを活用するのはとても効果的ですが、夏バテしない身体をつくるためには、夜のシャワー浴はあまりおすすめできません。
どうしてお風呂に入ると夏バテにいいの?
ぬるめのお湯につかると、副交感神経が活発になり、リラックス効果が得られ、ぐっすり眠ることができます。良質な睡眠は、夏バテに負けない健康的な身体をつくるために欠かせないものです。
一方、熱いシャワーを浴びると交感神経が活発になって、しゃきっと目覚めることができます。いい目覚めは生体リズムを整える効果があります。
夏バテしない身体をつくるためには、日常生活で乱れてしまいがちな自律神経のバランスを整えて、上手にリラックスすることが大切なのです。
自律神経と免疫力の関係
自律神経は身体にとってどんな役割を果たしているのでしょうか?自律神経とは、交感神経と副交感神経をあわせた総称で、自分の意思ではコントロールできない内臓の働きやホルモンの分泌を調整する役割をもっています。
人間の身体は、交感神経が優位に働くと活動的な状態になり、副交感神経が働くとリラックスした状態になります。このバランスがくずれると自律神経が乱れ、免疫力が低下してしまうのです。
免疫力とは、体内に入った異物を排除しようとするシステムのことで、免疫力が弱まってくると体調を崩したり、病気になったりします。またこの免疫力はストレスによって低下します。
免疫力を低下させないよう自律神経のバランスを整え、ストレスを上手に解消する方法として、入浴の効果は見逃せません。副交感神経を優位にすることでリラックスし、免疫力はアップします。すると、体調を崩しやすいこの季節でも、夏バテしない身体を作ることができるというわけです。
夏バテに効果的な入浴方法
リラックスとは、疲れがとれて自分にとって心地よい状態でいることですから、日常生活の中でできることはたくさんあります。なかでも入浴は自宅で簡単に行うことができ、毎日の習慣としてぜひとりいれたい健康法のひとつですね。
リラックスするのに最適な入浴方法は、38℃〜40℃のぬるめのお湯に20〜30分つかることです。血管が広がり全身の血液循環が活発になると同時に、汗をかくことで体内の老廃物が体外に排出されます。また、頭上の換気をよくしておかないと、のぼせてしまうので注意しましょう。頭に冷たいタオルをおいておくとのぼせにくいですよ。
長くお湯に浸かっていることの苦手な人は、自分なりのリラックス方法を組み合わせたりすると、長湯も苦にならなくなります。入浴効果を相乗的に高める方法を試してみましょう。
◆半身浴
身体のみぞおちより下だけお湯につかる方法です。身体に対しての水圧が低いため、心臓に負担がかからず、長時間入浴するのにむいています。また下半身の方が体温が低いため、その血液を全身に巡らせるのにも半身浴は効果的です。汗が出にくい人は、お風呂の前にコップ1杯程度の水分補給をし、お湯のなかに少量の塩を大さじ1〜2杯(15〜30g)いれてみましょう。汗の出がぐんとよくなります。
◆肩や首のコリには寝湯
肩や首がこっているときは、首のあたりまでお湯につかるようにしましょう。温熱の作用で首や肩の血行が促進され、浮力によって肩の筋肉の緊張がやわらぎます。
また浴槽が長い場合には、浴槽のふちに首を乗せ、首や肩に頭の重みがかからないようにする寝湯もおすすめです。
◆足のむくみには温水&冷水シャワー
立ち仕事や冷房のために脚が疲れたり、むくんだりしたときは、ふくらはぎへシャワーをあてましょう。ふくらはぎの内側に温水を1分、外側に冷水を3〜5秒ほど交互にかけると、血流がよくなりむくみがとれやすくなります。
◆リラックス入浴
・静かでおちつくような音楽をかける
・アロマオイルや入浴剤など、自分の好みの香りを浴槽にいれる
・アロマキャンドルなどを使用して、いつもより少し暗い明かりの中でお風呂に入ってみる
・雑誌や本を読む、あるいは心の落ち着くような文章を朗読する
・仕事や悩み事は考えず、楽しいことやうれしいことを考えるようにする
夏バテにかぎらず健康な身体を作るためには、ストレスをできるだけためないようにし、毎日の生活のなかで上手に解消することが大切だといえますね。