生活習慣の改善で心疾患リスクが短期間に軽減
生活習慣を大きく変えることで深刻な心疾患リスクを短期間で軽減できるという研究結果が、医学誌「Journal of Applied Physiology」1月10日オンライン版に掲載された。
同研究は、46〜76歳の男性31人を対象に実施されたが、全員が過体重、あるいは肥満であり、メタボリックシンドローム(脂肪過多、高コレステロール、高血圧、インスリン抵抗性など複数の危険因子が重なった病態)のリスクファクター(危険因子)を少なくとも1つ有していた。15人がメタボリックシンドローム、13人が2型糖尿病と診断されていた。
被験者は、宿泊施設での食事・運動療法プログラムに3週間参加。食事療法の内容は、複合炭水化物65〜70%、蛋白(たんぱく)質15〜20%、脂質12〜15%であった。加えて、1日45〜60分間、トレッドミル(歩行マシン)での水平・勾配歩行を行った。被験者は毎週約1〜1.5kg減量したが、調査後も過体重か肥満であることに変わりはなかった。
研究の前後で、被験者の血中のコレステロール値、インスリン値、炎症マーカーが測定された。研究開始時には48%を占めていたメタボリックシンドローム者は、終了時には19%に、また42%だった糖尿病者は23%にまで減少し、「悪玉」コレステロールのLDL(低比重リポ蛋白)値は平均25%低下した。
研究を行った米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)生理科学部のChristian Roberts研究員と、米ボーモント病院(ミシガン州)体重コントロールセンターの内科医Katherine Nori博士は、こうした変化は食事と運動の組み合わせによるもので、どちらか一方では、双方同時に行うほどの効果はなく、健康へのプラス効果を維持するには、こうした生活を続けなければならないと述べている。