ストレスの多いシーズンをうまく乗り切る
多忙な季節がやってくる。社交活動、プレゼントの買い物、飾り付け、ご馳走の準備などで、せっかくの休暇が健康に悪影響を及ぼす「ストレスのお祭り」になりかねない。用心しないと休暇が精神的負荷となり、高血圧や免疫系の低下を招くことになる。
ストレスが心拍数を上げたり、風邪への抵抗力を低下させたりすることは広く知られているが、今回、コレステロール値にも影響するという知見が米医学誌「Health Psychology」11月号に掲載された。
英ロンドン大学のAndrew Steptoe博士らの研究によると、ストレスをもたらすような仕事についた3年後には、男女ともコレステロール値の増加がみられたという。「ほとんど反応を示さなかった人もいるが、短期間で大きく増加した例もある」とSteptoe博士は述べている。
理由としては、ストレスが脂肪酸やグルコース(ブドウ糖)の形でのエネルギー生産を促し、そのため肝臓がLDL(低比重リポ蛋白(たんぱく))をより生産・分泌しなくてはならなくなることが考えられるという。LDLは血液中でのコレステロールの運び手である。ストレスが脂質の消去を妨害するか、脂質産生を増加する炎症過程を促進するとも考えられるという。
Steptoe博士によると、被験者でのストレス関連コレステロールの応答は大きくはなかったが、その値は考慮するに足るもので、誰のコレステロールがストレスに応答して増加するかを知ることができ、冠動脈疾患リスクが高い人により注意を払うことができるという。
ストレスが増えるこの季節は、冷静になり、米国メンタルヘルス協会(NMHA)による下記の休暇ストレス対策に従うのが良策だ。
・現実的な目標を設定する。前もって計画し、早めに買い物をし、旅行計画を立て、自分のペースで実行する。こうすることで最後のぎりぎりの段階になっての心配が軽減される。
・自分一人で何もかもやろうとしない。家族全員に休暇のための作業を助けさせること。
・少なめに期待を持つこと。
・時間を管理し、最終段階での変更や緊急事態に備えて余分の時間を取っておく。
・リラックスするよう心がける。深呼吸、リラクセーション音楽、軽いヨガがリラックスする助けになる。
・運動する。もしすでに定期的に運動しているなら、休暇の間もこれを続ける。
・自分の情緒をよく観察し、それを親しい友人と分かち合う。ちょっと電話したりEメールで話したりするだけでも、気分は晴れる。