喫煙患者に受動喫煙の危険性を指導する必要性
医師は喫煙患者に対し、喫煙指導の際に受動喫煙の危険性についても併せて指導する必要があるとする米国の専門家3名による見解が、医学誌「Families, Systems & Health」に発表された。
報告では、まず喫煙に関する注意事項は、同時に指導する方が別々に実施するよりも効率がよいこと。次に、喫煙者に受動喫煙の危険性について納得させることにより、自宅を無煙の状態にすることに対して強い意志を持つようになり、健康を損なうリスクが低下するほか、自分以外の喫煙者に対しても自宅では喫煙しないよう勧めるきっかけになることが期待されるという。
米国では、受動喫煙に起因する死亡が年間5万例に上る。この数値は大腸癌(がん)による死亡者数にほぼ相当する。今回の報告では、「(小児、冠動脈疾患および喘息患者など)特に健康に対する被害を受けやすい集団があるが、受動喫煙に曝露(ばくろ)すれば誰でも心臓疾患をはじめとする疾患の発症リスクが増大することになる」と注意を促している。