体を温めることにより癌(がん)の画像診断の精度がアップ
PET(ポジトロンCT)やCTスキャンなどで癌(がん)診断をする際に、事前に検診者の体を毛布などで温めておくことにより、診断の精度が上がることが、先ごろサンディエゴで開催された米国核医学会(SNM)で報告された。
報告者の米セントルイス大学医学部(ミズーリ州)核医学助教授のMedhat Osman博士によると、スキャン検査の開始時まで患者に毛布をかけておくと、診断の不正確率を62%まで軽減するという。
体内の脂肪組織(褐色脂肪組織)は、癌(がん)のスキャン検査で擬陽性と読み取られる原因ともなる。これは、褐色脂肪組織には体を温める働きがある一方で、スキャン検査では悪性腫瘍として映る可能性があるからだ。
Osman博士は「暖かい毛布の効果は2倍以上で、患者は薬剤の相互作用による悪影響を心配しなくて済むし、検査後の帰宅手段も心配する必要がない」と述べている。
PETやCTスキャンの直前にカフェインを摂取したり、運動をしたりすると正確な診断結果が得られないことが従来の研究で指摘されているが、検査前に患者のなすべきことがもう一つ増えることになる。