減量は富をもたらす
体重の減量によって財産が増えるとする新たな研究結果が示された。専門誌「Economics and Human Biology」オンライン版によれば、「普通は多少の体重増減によって経済的な豊かさに変化がみられることはないが、増減量が大きい場合にはその変化も劇的である」という。
米オハイオ州立大学人的資源研究センターのJay Zagorsky氏が、「若年者を対象とした米国縦断的調査(U.S. National Longitudinal Survey of Youth)」の参加者7,300例を評価したところ、過体重の人が大幅に減量した場合、体重減少につれ経済的に豊かになったことが明らかになった。
肥満指数(BMI)が10ポイント低下すると、白人女性では財産が1万1,880ドル(約132万円)増大し、白人男性では1万2,720ドル(約141万円)、黒人女性では4,480ドル(約50万円)増大していた。一方、BMIの有意な増大により、黒人女性は財産の中程度の低下を示し、白人女性では大きな低下を示したが、白人男性ではほとんど影響は認められなかった。黒人男性では体重の変動は財産に影響を及ぼしていなかった。
Zagorsky氏は「データから減量が財産を増やすかどうかを証明する方法はないが、関連性はあると考える」と断った上で、その理由として、過体重および肥満になると職場で差別を受け、正常体重の人と同等の給与を受け取ることができない点を挙げている。「本当に金持ちになりたいのであれば、過体重ないし肥満を正常体重に改善する必要がある。数キロでさえも減量できないようであれば、財産が変わることはない」と述べている。